第20話
「買う物は俺はこれくらいでいいかな?片山さんとティアさんは?」
「私は大丈夫です」
「私もよ。ていうかそのストレージスキル便利ね。私も欲しいわ」
「俺のストレージがあるからって買いすぎだろ」
「別にいいじゃない使えるものを使っとかないとね。あと気になっていたんだけどどこに行くつもりなの?」
「それ!私も気になってました」
「南にはもう行けないから、ミラレス王国経由でどっかの街に行きたいんだけど、とりあえず道なりに歩いて行けばいいかなって」
バーク•オスプレが襲撃してくる前にティアさんからこの世界についてとか魔力の使い方など色々教えてもらった時に、この街の南にはもう街はなく海になっているという事も教えてもらっていた。後でマップ確認したらこの街があるのは半島だった。北に行こうとすると否が応でもミラレス王国を経由しなければならないため、追放されて逃げて来たのに結局戻る羽目になった。まあでもナバールさんからミラレス王国での任務が与えられたので結局は戻っていたけど…
「とりあえずミラレス王国の任務を終わらせてからだな。あの国あんまり好きじゃないから長居はしたくないし、膨大な魔力の発生の原因は知っているから別に調査する必要無いけど…」
「じゃあミラレス王国には寄らないの?」
「いやミラレス王国には寄るよ俺だけね」
「え?どういう事ですか?」
「まずミラレス王国には入らずにそのまま通り過ぎる。そしてミラレス王国からまあまあ離れたところで野営する。そしたら俺だけ夜のうちにミラレス王国侵入して様子を確認し、帰ってくる。そして何事も無かったように旅を続ける。完璧だ!」
「ミラレス王国に入って調査したという事実を作るのね」
「そういうことだ。でも王国に本当に入ったかナバールさんに疑われそうだから王国の衛兵とかに見つかって、ちょっとした騒ぎを起こせば疑われないっしょ」
「そのちょっとした騒ぎが大きくならないように気をつけてくださいね」
「そうよ。あなたなんかやらかしそうな雰囲気が出てるから。しかも昨日街を半壊させたばかりよね?」
「うっ...おっしゃる通りです...」
○○○○○○○○○○
同時刻ミラレス王国にて…
「午前の訓練はここまで!休憩していいぞ。午後からは魔物を倒しに行ってレベル上げだ」
「はぁ〜やっと終わったぜ。恭介〜メシ行こうぜ」
西村からの誘いを無言で断りそそくさと自室に戻った。
「クッッソ!早くしなきゃなんねーのに!」
この世界に来て最初、香織が追放されるのは予想外だった。しかもよりにもよってあの空上と一緒に追放されるなんてな!!
でも追放された後に助けに行けばいいと思っていたが城からは出れなかった。
城から出ようとするとあのクソ強い将軍が出張ってくる。いつかレベルが上がったらあいつをボコしてやるが...。そんなことより香織をどうにかして助けに行かなければならないあの空上に取られる前に...。そんなこと考えていると、
コンコン。
「恭介。居るか?入るぞ」
「許可してないのに入ってくんなよ」
「すまない。ひとつ忠告をしに来ただけだ。午後のレベル上げの時に抜け出そうとは考えないことだ。」
「ちっ。わかってるよ」
「分かってるならいいんだ。邪魔したな」
そう言って部屋を出て行った。
「この世界では絶対あいつの思う通りにはさせない...」
○○○○○○○○○○
「あーもうどーすっかな」
「どうしたんですか?」
「いやどこの街行こうかなって。せっかくなら観光地的な所行きたいじゃん。まあそんなところがあるかどうかだけど...」
買い出しが終わっていい時間になっていたのでティアさんと別れ、宿に戻りマップとにらめっこをしている。そういえばティアさんってどこで寝泊まりしてるんだ?気にしたら負けか。
「どうして今日聞かなかったんですか?」
「いや普通に忘れてた」
「全くもう...では明日聞きに行きましょう」
「そうだな明日行くか。とりあえず何個か目星でもつけておくか」
ついでに明日クエストでも受けに行くか?いつバーク・オスプレイみたいなやつが来るかも分からないし、腕は鈍らせない方がいいな。
「空上さん。ひとつお願いしてもいいですか?」
「なんだ?」
「また戦闘訓練してくれませんか?時間がある時でいいので」
「別にいいぞ。それぐらいならいつでも出来るし、なんなら明日からやるか?ちょうどクエストを受けようか迷ってた所だし」
「ありがとうございます!少しぐらいのことなら自分で対処できるようになりたいですから。それにこの短剣の使い方まだあまり分からないですし...」
「確かにその短剣の事あまり教えてなかったなじゃあ明日から特訓だ!」
「はい!」
とりあえずこの街にいる間はローワーの森でいいかな?まあ他の所行って変なモンスターに絡まれても嫌だし...明日ローワーの森にやばいモンスター居ませんように。
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