第19話

「なんだあのクウジョウという少年は!!スキルの数や基礎的な身体能力がそもそもおかしい。最後のあの技。ギリギリで影に入れたからいいものの腕1本もっていかれるとは...」

「負けそうになるなんてあなたもまだまだですわ」

「だまれ!!だったら貴様もあいつと戦ってこい吸血鬼の女王エリザベス・カーミラ!!」

「あら?わたくしは争い事を好まないのよ?」

「いつからそんな嘘をほざくようになったんだ?」

「フフッ...わたくしもその少年に興味は湧いてきましたわ。そういえば、どうしてあの娘を連れ去ろうとしたのかしら?」

「あの娘は我が君の......」




○○○○○○○○○○




「うわ...なんだこれ...バーク・オスプレの死体?んなわけないか...」


さっきまでバーク・オスプレがいた所に黒いスライムみたいのが残っていた。


「紫電一閃でバーク・オスプレを斬ったのは見たんだよな。うーん...闇魔法で作った分身を置いて逃げたのかな?多分...」


とりあえず片山さん達の所に戻るか。って言ってもどこにいるかわからんからな...ギルドに行けばいっか。


「てか紫電一閃の威力えげつな...まあまあな範囲の建物も両断されてるし...これからは使う所考えないと周りの人巻き込むな。幸いここら辺はみんな逃げてたから良かったけど」


建物の弁償とかしないよな...弁償させられたら多分生きてるだろうバーク・オスプレに次会ったら絶対弁償させてやる!!

そんな事を考えていたらギルドについた。


「ギルドは斬れてなくて良かった〜」


ギルドなんて斬ったらギルマスになんて言われるかわからんからな...

そう思いながら扉を開けると、


「空上さん!!」


片山さんがこっちに駆け寄ってきた。そして俺の胸で泣き始めてしまった。


「ちゃんと約束通り帰ってきたぞ。だから泣くなって...」

「ごめんなさい...嬉しくて....」

「あー...片山さん?ティアさんがすっげーこっち見ながらニヤニヤしてるんだが...」

「ふぇ!?ご、ごめんなさい!」


そう言って片山さんは離れてしまった。

これはこれで心にくるものがあるな...


「少し残念そうな顔しないの空上くん」

「うるせぇ」

「クウジョウくんよく無事でいてくれた。この街ペシュラを救ってくれたことに感謝する。報酬を渡したい所だが街の復興作業でお金がないんだ」

「え?もう街の復興作業を始めてるんですか?」

「戦いが終わった事を感知するや否やギルドにいた冒険者全員を送り出したからよ」

「仕事が早いな!!だからこんなにギルドに人がいないのか。ああそれと報酬は全部復興するための資金にしてください」

「本当にそれでいいのかクウジョウくん?こちらとしてはありがたい話なのだが...」


実際は俺がだいたい壊しちゃったしな...


「それでいいよな片山さん?」

「いいですよ。お金には今は困ってませんから」

「てかあの任務の報酬も資金にしちゃってくださいあの任務が終わったらそのまま別の街に行こうと思うので」

「え?あの任務ってなんですか空上さん?しかもこの街を出て別の街に行くなんて聞いてないです!」

「まあ今決めたからな」


まあこの街にとどまっていてもいいんだけど

せっかく異世界に来たんだから見て回りたいからな。


「この街を出るって言ってもいつ行くの?」

「まだ決まってないけど多分3日後かな...」

「1週間ちょうだい。それまでには準備するから」

「え?」

「え?」

「ティアさん...ついてくるんですか?」

「そうよ。だってあなた達の専属受付嬢だもの」


そういえば給料あげるために俺たちの専属受付嬢になったんだった...まあそれは置いといて、

俺も旅の準備しないとな。


「片山さんはなにか買っておくものとかある?」

「あります」

「じゃあ明日は買い出しか」


この後あの任務の報告をどうするのかナバールさんに聞いたところ次の街のギルドでナバールさんに繋いで欲しいって言うと連絡魔石っていうので繋いでくれるからそれで報告すればいいらしかった。

そして宿に戻ってきてステータスを確認していた。幸い宿も斬れていなかった。まあ斬れていたらまじで困るからな。なんでステータスを確認しているかと言うとこの前見つけた新しいステータス項目「アーツ」を見ていた。

このアーツが何なのかと言うと今まで編み出してきた技がなんか一覧で保存されているところだった。


━━━━━━━━━━━━━━━

- [ ]炎属性

〇初級魔法

火球ファイヤーボール

- [ ]風属性

〇初級魔法

風刃ウィンドカッター

- [ ]水属性

〇初級魔法

水刃ウォーターカッター

- [ ]氷属性

〇初級魔法

氷球アイスボール

- [ ]土属性

〇初級魔法

岩石弾丸ロックバレット

- [ ]雷属性

〇紫電一閃

〇初級魔法

雷球ライトニングボール

〇上級魔法

天雷

- [ ]混合属性

火炎旋風フレイムワールウィンド


━━━━━━━━━━━━━━━


なんか自分で考えてないものまであるが、まあ気にしないでおこう。天雷って上級魔法だったんんだな。結構連発してた気がするけど...


「何見てるんですか?」

「アーツってやつだよ」

「今まで使ってきた技とかが見れるんですね

使ったことがないものもあるみたいですけど」

「まあでも初級魔法ばかりだしデフォルトであるんじゃないか?」

「そうかもしれませんね。そういえばギルドで言っていたあの任務ってなんですか?」

「ミラレス王国で観測された膨大な魔力の調査だよ。多分勇者召喚した時に観測されたものだと思うよ」

「じゃあ私達が原因?」

「そうとも言えるな。まあどういうことか分かってるから調査する必要ないけど気になることがあるからな」

「気になること?」

「それはまた今度教えるよ。てかなんで俺なんだよ」

「ナバールさんでしたっけ?あの人なんか感が鋭いから何かを感じたからでは?」

「確かにそれはあるな。ナバールさんのステータス確認したいけど気づかれそう」


とりあえず明日から準備しなくちゃな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る