第5話 会心の一撃
昼食も食べ終わり、俺と柚木は、引き続き、柚木と吉田さんと机に座り談笑していた。
すると唯依の前に見知らぬ男女の生徒たちが現れる。
なんだ?こいつら?!なんだか柚木も顔を曇らせているし俺は何か不穏な空気を察して
「な、なんの用ですか?」と訊ねると男の一人が俺の言葉に「なんだお前は?コイツの男か?」
「違う!俺は、柚木の友達だ。」
「そうなんだ、よお柚木、復帰してたんだな!」
「なんの用?武田くん用がないならわたしはあなたと話すことなんてないんだけど」
「ねえ、ちょっと酷くない?わっち達とも遊んでよ!」
「えっ?誰のせいで不登校になったと思ってるの?」
「イヤだ!まるでわっち達のせいで不登校になったような言い草じゃね?]
武田と呼ばれる男とビッチな女子生徒は不適な笑みを浮かべて言ってくる。
「ところでさ柚木さ、今月の別ママ読んだけど『日向荘の怠惰な彼女』の作者の結月ゆいってあれ、お前だよな?なに?マンガ家にでもなるのか?!」
武田くんはあざけ笑い尋ねてくる
「そう、だけど...それがなに?悪いの?」
「お前さ、自分がどれだけ恵まれているか分かっているのか?海外で有名画家として活動していて帰国子女でその上、マンガ家って...」
「あたしが何を目指そうと武田くんに関係ないじゃない!」
「この際、言うけどお前ににマンガ家の才能んかんて無いから!今回のマンガだって最終候補止まりで佳作にも入らなかったじゃん!マンガ描くより絵画を描いた方が金になるんじゃね?」
「なにそれ、別にお金が欲しくて漫画描いているわけわけじゃないよ!漫画を描くのが好きだから描いてるだけなのに!」
「やめとけって、お前にマンガ家の才能なんてないって!夢見るだけ無駄だろ!ギャハハハ!」とあざけ笑う。
「おい!皆、コイツマンガ家になるだってよ!馬鹿だよなー!成れるわけないのによー!」
「うっくっ...ううっ...」と涙を流す柚木を武田は一瞥して「あー、スッキリしたー
じゃあな、柚木。身の程を知れよバーカ」
そう柚木を馬鹿にして教室を後にしようとする俺は、武田の肩を俺は掴み、気付くと顔面を思いっきりぶん殴っていた。
「グハァ!」と顔面を殴られたことで武田はその場から吹っ飛び床に転がる。
女子生徒の悲鳴が上がり、慌てて周囲の男子クラスメイトに止められて初めて自分がなにをしでかしたか気付いた。
「謝れよ!柚木に!なにも努力していない奴が一生懸命努力してきた柚木を馬鹿にするな!」
クラスメイトに呼ばれて駆け付けてこいた教師達に俺は連れられていく。
武田は、「覚えておけよ、この借りは必ず返すからな!」と捨てセリフを吐き、教室を去る。
この暴行事件はクラスの間で話題になるのだった。
***
帰宅後のこと柚木宅で二人でなんとなくの気まずさの中で、学校での昼休みの騒動のことを聞きたいのに俺は、それを聞けずにいた。
「今日は大変だったな。柚木、昼のことは大丈夫か?アイツらはいったい......」
「ああ、武田くん達はねわたしが一年の時のクラスメイトなんだよ。わたしをイジメてくるリア充グループのリーダー格の人達なんだ」
「リア充がイジメるのか?」
「ああ、武田くんはね、ちょっと不良なリア充なんだ。捻くれていると言うか...」
「そうだったのか、なんで柚木がイジメられることになったんだ?」
「それはね、わたしが海外からの帰国子女だから...だからって目の敵にするなんて最低な奴らよ!海外に住んでいたからって日本を馬鹿にしているとか言ってさ、失礼しちゃうよ!」
「だよな!柚木は、漫画にラノベ。深夜アニメ好きだもんな」
「そうよ!日本文化LOVEよ!」
「要は、あの人達は弱い者からマウントを取って快楽を得るような奴らなの!」
「酷い奴らだな。人の夢を人が創ったものを馬鹿にするなんて許せない奴らだ!」
「だよねー、まったくそう思う」
「そうだ!今度は、アイツらをあっと驚かす面白い漫画を描いてやろうぜ!」
人の夢を馬鹿にしたアイツらに一泡吹かせてやらないと気が済まない。
「藤也くん...ありがとう!でも、面白いマンガを描くってどうしたらいいのかな?」
「ふっふ、それなら問題ないぞ。」
そう、俺にはその宛てがある。そこには抜かりがないと言えよう。
「え?どうするの?本当に宛があるの?」
「大丈夫、前にも言った文芸部のエースの
「わかった!」
そう、俺は、秋雫先輩からマンガのストーリー作りの助言を提案したのだった。
「それじゃあ、来週は、文芸部を尋ねてみよう」
「うん、わかった!」
俺と唯依はそう示し合わせて面白いマンガを書き武田達を見返す為にマンガ制作に向けて動き出した。
「それより藤也くん武田くんを殴ったりして先生達からなにか言われなかった?」
「ああ、そのことなら、明日からから一週間の停学の謹慎処分になったぜ」
「そんな、わたしのせいでごめん」柚木は潮らしくなり言う。そんな柚木が落ち込むことないのに。
「いいんだ。あそこでぶっ飛ばしてなかったら俺の気気が収まらなかったからな」
「そう、ならいいんだけど」
「それより、明日から俺が居なくてもちゃんと学校に行けよ。あさくらい起こしに行くからさ」
「うん、わかった。頑張って学校行く」
柚木と約束を交わしてその日は柚木の好きなおかずを作って労った。
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