第4話 徹寿司の背中をみる

徹は小学生になる頃には寿司屋には姿を見せなくなっていた。サッカーにはまっていつも家からサッカー場に向かってしまった。あの時珠代におぶられていた時が一番寿司屋に来ていたかもしれない。徹生は子供がいなくて働きやすくなった一方で少しだけ寂しさも感じていた。



見よう見真似で一品料理を研究した。父が帰ってくる前に家の台所で、YouTubeで学んだ寿司の握りを、親が帰ってくる時間まで独り練習していた。



父にはあまり練習しているのとをバレたくなかった。何か恥ずかしかったから。でも父には教わりたくなかった。それでも料理は作りたかった。父の背中を見ていたから。

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