第3話 なんだよ。
「ねえ木佐君、小塚君て彼女いる?」
高校に入って2ヶ月、女子2人に呼び出されて「お!!」と思ったら隼人の話かよ。
「それを聞くために、俺呼び出されたのかよ。」
「え、何?木佐君に告白すると思った?」
「この状況はどうやったってそうだろ。」
「木佐君もいいと思うんだけどね。でも私は小塚君おしなんだよね。今結構人気でさ、彼女いないんなら早く告白しないと誰かに取られちゃうから。」
「俺のことはフォローとかすんなよ。逆に悲しくなるから。そもそも彼女がいてもいなくても告白すれば良いだろ。」
「え、やだよ。彼女いるからって振られたらショックじゃない。」
「大丈夫だよ。いなくても振られるから。」
「え?ちょっと失礼だよね。どういう意味?」
「隼人の好みじゃないって事。ちなみに今、隼人は彼女いないけどね。」
「マジムカつく。」
「じゃあ俺行くわ。」
貴重な昼休みを潰された。こっちがムカつくわ!隼人の好みなんて知らないけど悔しいから言ってやった。中庭に出ると隼人がベンチに寝転がりスヤスヤと寝ていた。あいつ背も高いし確かにかっこいいんだよな。あんな女にはもったいない。
のんびり寝やがって…思いっきり足を蹴った。
「痛!なんだよいきなり蹴るなよ。何?告白されたんじゃないの?なんで怒ってるんだよ。」
「隣のクラスの女に、お前に彼女いるか聞かれた。」
「えっ?なんで爽平に聞くの?」
「しらね。」
「なんて答えたんだよ。」
「ムカついたから、今いないけど、あんたは好みじゃないって言っておいた。」
「ハハ。何だよそれ。面白すぎる。でも女の子に失礼だな。」
「どっちが失礼だよ。貴重な昼休みに呼び出すんじゃねーよ。」
爽平はプリプリ怒っている。まあ実際、呼び出されなくてほっとした。
俺は今、気になる人がいるから告白されても困るんだよね。
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