第9話 お泊りファイナル

「出たから入ってきなよ〜」

「あいよ〜」

「お風呂の水は飲んじゃだめだからね〜」

「飲まないよ。」


さてお風呂の時間だ。


我が家のお風呂は結構広い、4人は浴槽に入れるくらいには。父さんと母さんはお風呂好きであり、4人で入れるお風呂があるところを選んだらしい。サウナもあるが小さいので1人ずつしか入れないがごく一般の家にはサウナがないのでまずあるのが珍しい。


おじさんは服を脱ぎ、その服をおいてあるバスケットに投げ入れる。タオルを持って浴場に入り、ドアを開ける。浴場は湯気により真っ白で周りが見えづらい。

最初におじさんは体と頭を洗う。その後にお風呂に入りゆっくりするというのがおじさんルールである。


よく、最初にどこ洗うかって聞かれることがあるが、おじさんは足から洗う。そもそもの話、そんなこと聞かれるような友達はいなかったのだが...自分で言ってて悲しくなってきた。ちなみに川上くんは最初に胸から洗うらしい。


頭を洗い終えると声が聞こえてきた。


「うん?」

「失礼しまぁぁす!!!」

「うわああぁぁぁぁぁ!!!」

「お背中流しましょうか?」

「その前になんで入ってきてんの!?」

「今はそんな事いいじゃないですか〜、というわけで...お背中ながしまーす。」

「まず入ってきても大丈夫なのか?服着てんのか?」

「いえ。」

「なんではいってきてんだよ!!!」

「そのほうがいいかな〜って。」

「よくないわ!!」


遠くから茜の声が聞こえてきたのでどちらか二人ということだ。うそだろ...!?

そんなことがあり、お風呂は乗り越え、就寝時間となった。


「私はソファーで寝るから。三人は私の部屋を使ってくれ。」

「え〜兄さんも一緒に寝ようよ〜」

「だめだ。」

「いいじゃん小太郎くんわたしたちと一緒に寝ようよー」

「流石にソファーだとこーくん体痛めるから一緒に寝ようよ―」

「ほら〜二人も言ってることだし、さあ。」

「いや大丈夫だよ。」

「大丈夫?一緒に寝ることが大丈夫ってことだね?」

「え?」

「じゃあ、わたしは小太郎くんの隣で。」

「かなかなも隣で。」

「あたしは兄さんの上で。」


そうして同衾確定になった。あと茜は上で寝るな。ちなみに全然寝れなかった。


まだ真夜中に起こされた。茜がトイレついてきてほしいらしい。


「終わったら言えよ。」

「うん、あ、兄さん耳塞いで。」

「はいよ。」


茜は昔から怖がりだったのでいつもおじさんと寝ていて、トイレに行きたくなったら

毎回母さんではなくおじさんを起こしていた。


「終わったよ。」

「それじゃあ戻ろうか。」

「待って。」

「どうした?」

「ちょっと月が見たくなったから。」

「そっか、じゃあ外に出てみるか?」

「うん、出たい。」


外に出てみたが周りはまだ暗かったが、月がよく見えた。


「まんまるだな。」

「そうだね。」

「どうしたんだ?急に月が見たいって言って。」

「美少女が月を見ていたら絵になるじゃん。」

「何だその理由。」

「ねえ、兄さん。」

「? なんだ?」

『月が綺麗ですね。』

「そうか?私は星のほうが輝いててきれいだと思うんだが?」

「...」


あれ?茜が行ってしまった?


「おーい、茜?どうしたんだ?」

「...おやすみ」


とりあえずおじさんも戻ることにした。茜の目元が赤くなっていたが、なんでそうなっていたのかおじさんにはわからなかった。


「おはよー」

「ああ、おはよう。ご飯もう少しでできるから準備してて待っててな。」

「おはようございますこーくん。」

「おはよう、大丈夫?ちゃんと眠れた?」

「それはぐっすりと眠れました!」

「そっかそれなら良かった。」


朝ごはんができたが麻莉奈さんが来なかった。


「麻莉奈さんどうしたんだろうね。」

「起きたときにはいなかったよ、兄さん。」

「...とりあえず見てくるな。」


麻莉奈さんはすごく幸せそうに寝ていた。ほっこりしてしまういい寝顔っぷりだった。しかし、心を鬼にして起こすのであった。


「麻莉奈さん、朝ですよ。」

「...ん、あと少し〜...」

「朝ごはんできてますよ。」

「...小太郎くん抱っこして〜」

「それは流石に...」

「...おやすみ」

「わかりましたから起きてください!!」

「わ〜い、抱っこ〜」

「...起きてませんでした?」

「...ふわぁぁあ。」


麻莉奈さん図ったな、朝は弱くて甘えん坊になるんだな。二人はご飯を食べたら帰るといっていたので帰りの支度をして、玄関にいる。


「わたしたちはもう帰るね。お世話になりました、また来ます。」

「いつでも来てください、歓迎しますよ。」

「うん!また遊ぼうね奏ちゃん、麻莉奈ちゃん!」

「バイバ〜イ。」


そうして、お泊り会を終えてまたやりたいと思ったおじさんであった。

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