第4話:吸血鬼は泣き、半吸血鬼は殴られる

「優吾ー そこのレンチ取ってくれー」


「はーい」


 午後3時頃、カスタマイズショップ13Bのピット内には忙しなく動くエリック達の姿があった。ピットには2台のスポーツカー──トヨタ MR2 (SW20)と日産 フェアレディZ(Z34)が入庫され、リフトによって上げられている。黒のMR2にはジャックと優吾が、シルバーのフェアレディZにはエリックがそれぞれ車体の下に潜り込んで作業をしていた。


「ちっ……あのクソガキ、どういう運転したらこんなアライメントになるんだよ……」


 エリックがぼやきながら作業をする一方、優吾とジャックはテキパキとこなしていた。


「優吾って結構手際いいんだな」


「ありがとうございます。実は最近まで自動車の整備工場で働いてたもんで……」


「おお~ それは心強い。これならしばらくの間作業が楽になるな」


 ──2日前


「僕を預かる……ですか?」


「ああ、今回の任務が終わったら吸血鬼の研究をしてる知り合いに見てもらおうと思ってな。それまでの間うちにいてもらう」


「でも……」


 戸惑う優吾。エリックからの申し出とはいえ、さっきまで彼を殺そうとしていたのだ。ここにいるとエリックの大切な仲間に被害が出るかもしれない。出来ることなら今すぐここを出ていきたいという気持ちでいっぱいだった。


「大丈夫。鎮静剤は十分あるし、もしさっきみたいなことがあったら、その時は俺達が全力で止めてやる。だから余計な心配はしなくていい」


 その言葉を聞いた途端、優吾は胸が熱くなり、地面に一粒の涙がこぼれ落ちる。


「おいおい、何泣いてんだよ」


「あれ……?おかしいな……涙が、全然止まらない……」


 どんなに止めようとしても、涙は滝のように流れていく。このエリック・シュミットという男は西崎優吾じぶんという存在を認めてくれた。全力で助けてやると言ってくれた。そして何より、真剣に向き合ってくれる存在が見つかった。感情のたがが外れるのには十分な理由だった。


「僕なんかが、ここにいてもいいんですか……?」


 琥珀色の瞳を潤ませながらの問いにエリックは柔らかい笑顔で答えた。


「ああ。今日からお前は


 翌朝、エリックは朝食の場で一連の経緯を仲間に説明をした。優吾はセブン達には拒絶されるのではないかと内心懸念をしていたが、それはただの杞憂に過ぎなかったようだ。


「本当に……しょうがないですね、エリックは」


「そうね。でも、そういうところがエリックの良いところだけどね」


「だな。そういうわけで優吾、これからよろしくな」


 3人は思い思いの笑顔で迎え入れてくれた。


「みなさん……本当に……」


「おいおいお前、また泣いてんじゃねえかよ」


「ほら優吾くん、朝から泣かないの」


「へへ……改めて、よろしくお願いします」


 ──


「よーっし、今日の作業終わり! みんなお疲れー」


 作業が終わり各々背伸びをしていると、裏からセブンとナターシャがやってきた。二人が持つお盆には3人分の冷えたほうじ茶と塩ようかんが乗っている。


「みなさんお疲れ様です」


「はい差し入れ」


「お、塩ようかんじゃん」


「さっそくいただきましょう」


 三人がおやつを食べようとしたとき、遠くから彼らを呼ぶ声が聞こえた。


「やっほーエリエリ。作業終わったー?」


 現れたのはピンクのショートヘアーが目立つ18歳くらいの少女と黒いスーツを着た男だった。


「そのエリエリって呼び方やめろ」


「ええ~ いいじゃんかよー……あ、ようかんだ!もーらい」


「あ、この野郎!それ俺のだぞ!」


「ん~おいしい」


 不機嫌になるエリックを尻目に少女はミニスカートを翻し満足げな表情で塩ようかんを味わっていた。


「あの、エリックさん。この人は?」


「コイツは清水ソアラ。こんなクソガキだがこう見えて大金持ちでここの常連客兼だ」


「情報屋……ですか?」


「有名な資産家だから色々なとこから情報が入ってくるんだよ。もちろんウロボロスのこともな」


 するとソアラは優吾の存在に気付き、彼に近づいてきた。


「あれ、見ない顔だね?」


「はじめまして。西崎優吾っていいます」


「アタシは清水ソアラ。よろしくねー


「ユ、ユウユウ……」


「コイツまた人に変なあだ名付けやがって……まあいいや。ほれ、今日の請求書」


 呆れ顔のエリックはソアラに請求書を差し出すと作業代の数字を見て彼女は顔をしかめてしまう。


「げえ……これ高くない?」


「大金持ちのくせして何ケチくさいこと言ってやがる。あとお前、どんな運転したらあんなアライメントになるんだ?歪みまくりだったぞ」


「最近週二でサーキットに通っててさあ~」


「あのなあ……サーキットってのはそんな頻繁に行くもんじゃねえんだぞ。わかったんならとっとと金払いやがれ」


「そんなエリエリに耳寄り情報~」


 話を遮るようにソアラはパーカーのポケットから何かが書かれたメモ用紙を取り出すとエリックの顔面近くでヒラヒラとちらつかせる。


「ここにウロボロスの新しい研究施設についての情報がありま~す。今なら作業代を半額……いやタダにしてくれたら、もれなくプレゼントするんだけどな~」


「このガキ……」


「さあ!エリエリどうする?」


 エリックはとても不機嫌な顔つきで頭をかいていた。その間もソアラはからかうようにメモ用紙をちらつかす。そして──


「ちっ……分かった。全額タダにしてやる」


「さっすがエリエリ~ やっぱ持つべきものは心の友だよ~ 」


「気持ち悪いこと言うんじゃねえ。ほら、渡すもん渡したらとっとと帰れ帰れ」


「冷たいなー。じゃあ、はいこれ。そんじゃあねー」


 ソアラはメモ用紙をエリックに手渡すとすぐさまフェアレディZへと乗り込んだ。


「エリック様。お嬢様のわがままを聞いていただきありがとうございます」


 ソアラの付き人であるスーツ姿の男が深々とお辞儀をする。


「黒峰さん、後でちゃんと言い聞かせてくれよな」


「はい、かしこまりました」


「ちょっとー クロミー 早くMR2エスダブに乗ってよー」


「では私はこれで」


 黒峰はエリック達に一礼をするとMR2に乗り込み、フェアレディZに続いて颯爽と店を後にした。


「ったく。あのクソガキと関わると無茶苦茶疲れんだよな。ということでナターシャ、後はよろしく」


「ええ、分かったわ」


 ナターシャはメモ用紙を受けとると足早に店内へと戻っていった。そして優吾とジャックは再び自分達の塩ようかんを食べ始め、ソアラにようかんを盗られたエリックは仕方なくほうじ茶をグビグビと飲んでいく。


「ところでエリックさん。今さらなんですが今回の任務って何をするんですか?」


「ん?ああ、今回の任務はである『仏の御石の鉢』の確保だ」


「凶界遺物?」


 聞き慣れない単語に首をかしげる優吾。


「凶界遺物ってのは凶界由来の高濃度エーテルでできたもののことだな。そのほとんどが神話や伝承とかに登場する財宝や武器で『仏の御石の鉢』もその一つだ」


「エリック『仏の御石の鉢』とは何なのですか?」


「あれ、知らない?」


 エリックの問いにセブンは頷いて答える。


「たしか『かぐや姫』に出てくる宝だっけ?」


「ジャックよく知ってるな。そう、かぐや姫が5人の求婚者達に要求した宝の一つさ。なんでも光輝く石の器だそうだ」


「まさか本当にあったんですね…… でもどうしてそれを?」


「さっきも言った通り凶界遺物は高濃度のエーテルの塊だ。いっぱい集めてエーテルを抽出すれば核爆弾よりも恐ろしい大量破壊兵器だって作れる。世界征服を目指すウロボロスにとってはまさに喉から手が出るほど欲しいものだ。俺達レジスタンスは奴らの手に渡る前に凶界遺物を確保、保護するのも役目なのさ」


「そんな恐ろしいことをウロボロスは……」


「ま、そういうことだ。だから明日は失敗できないし恐らくウロボロスの奴らも何かしら妨害を仕掛けてくんだろう」


 ほうじ茶を飲み終えたエリックは作業着のポケットからいつもの加熱式タバコを取り出しスパスパと吸い始めた。


「ということで今夜は優吾の歓迎会も兼ねて四川軒で夕飯だ。今のうちに英気を養っておこうぜ」


 ──午後7時、閉店作業を終えたエリック達は近所にある中華料理店「四川軒」を訪れた。北京の紫禁城をイメージした赤い中華風の装飾が目立つこの店はこの街の誰もが知っている有名店だ。


「いらっしゃーい!あ、エリックさん!」


 店に入り出迎えてくれたのは深紅のチャイナドレスに身を包んだ17歳の少女だった。団子に結ばれた左右の黒髪はピンクのシニョンキャップがしてあり、中華料理店で働く店員であることを物語っている。


「よ、小猫シャオマオちゃん」


「あれ?この人は……」


「コイツは優吾。訳あってしばらくウチで厄介になってる」


「そーなんだ!はじめまして優吾さん。アタシ小猫シャオマオ、よろしくね!」


「西崎優吾です。こちらこそよろしくお願いします」


「じゃあエリックさん、いつもの席でいいよね?」


「おう。よろしく頼む」


 小猫シャオマオはエリック達を窓際のテーブル席へと案内した。


「さあ優吾、好きなの選んでいいぞ。だが料理は絶品だからな」


 優吾はしばらくメニュー表をめくりながら何を注文するかを考えていた。メニューにはこの店自慢の料理達がところ狭しと記載されている。お馴染みの中華料理から本場四川省の料理まで楽しめてしまうのがこの店の最大のウリだ。


「じゃあ、このサンラータンメンセットで」


小猫シャオマオちゃーん注文おねがーい」


「はーい!」


 注文を受けてしばらくすると、エリック達の机の上に料理が次々と並び始める。


「セブンちゃんのはもうすぐ来るからねー」


「ありがとうございます」


 小猫シャオマオが去るとエリックは顔を少ししかめながらセブンに尋ねる。


「お前、またアレを食うのか……?」


「はい」


「セブンちゃんおまちどー」


 セブンの前に出されたのは、まるで溶岩のように真っ赤な麻婆豆腐だった。土鍋の中では赤い油がグラグラと煮え、立ち上る湯気にはすさまじい量の唐辛子と花椒の辛味が含まれていて少しでも吸えば激しくむせかえってしまうほどの強さである。


「セブンさん……それって?」


 優吾が顔を歪ませながら恐る恐る尋ねる。


「麻婆豆腐ですが?」


「すごい辛そうに見えるんですが……」


「そうでしょうか?」


「毎回見てるけど、お前よくそんなもん食えるよな……」


 その時、突如鈍い音と共にエリックの頭上に一発のげんこつが振り下ろされた。


「いっでええ!何すんだ暴力オヤジ!!」


 エリックが振り向くと、そこには白い調理服を着た大柄な中年男性が佇んでいた。腕の筋肉は隆々に盛り上がっていながらも引き締まり、まるで格闘家のようである。


「人が一生懸命作ったものを『こんなもん』呼ばわりすんじゃねえクソ坊主」


「はあ!?俺はただ事実を言っただけじゃねえか! あんなもん食いもんじゃねえんだよ!!」


「うるせえ!見ろ、セブンちゃんがうまそうに食ってるじゃねえか」


 そこには涼しい顔をして黙々と麻婆豆腐を食べるセブンの姿があった。


「アイツはちょっと特別なんだよ!あんなもん、普通の人間が食ったら即病院行きだ!!」


「コイツ……3回も俺の料理をバカにしやがったな!」


「おう!何回も言ってやろうじゃねえか!!」


 二人が口喧嘩をしている間、優吾はジャックの耳元に話しかける。


「あの人ってさっき言ってた……」


「ああ、この店のオーナーの王 龍ワンロンさんだ。ちょっとした知り合いだってアイツは言ってるけど、俺達も詳しいことは知らないんだ」


「いつもあんな感じなんですか?」


「まあな……」


 その時、ロンはエリックとの喧嘩を中断し優吾へと視線を移した。


「ん?あんたは……」


「はじめまして、西崎優吾っていいます。しばらくの間エリックさんのところでお世話になってます」


「オレはこの店の店主やってる王龍ワンロンだ。よろしくな」


 ロンは右手を差し出し握手を交わすと優吾に耳打ちをするように語りかける。


「なあ、何だってあんなヤツのところに厄介になってるんだ?」


「えっと……」


「おいコラ、なに優吾を困らせてんだ?嫌がってんだろうが」


 二人の間に喧嘩腰のエリックが割り込み再び口喧嘩の火蓋が切って落とされた。


「どこをどう見たら困らせてるように見えるんだよ」


「完全に優吾が困ってただろうが。デリカシーってのが分からねえのかこの石頭オヤジ!」


「コイツ!」


「ちょっとおとーさん!」


 二人の舌戦を打ち破ったのは小猫シャオマオの声だった。彼女は不機嫌な顔でズガズカとロンの元に歩み寄った。


「シャ……小猫シャオマオ……」


「なにしてんの?いっぱい注文来てるから早く厨房に戻ってよね!」


「わ、分かったよ……」


 小猫シャオマオに叱られたロンはしぶしぶ厨房へと戻っていく。


「ざまあみろ!この暴力親バカオヤ……あだあっ!!」


 凄まじい速さでエリックの額に直撃したのは伝票が挟まれたバインダーだった。


「お前らいい歳して本当にガキだな」


「ほら、早く食べないと冷めるわよ」


「うぇーい……」


 ──1時間後、夕飯を食べ終えたエリック達は店へと帰っていった。


「セブンさん、エリックさんは?」


「外にいましたよ」


「ありがとうございます」


 優吾が店の外に出ると、軒先にあるベンチに座りキャンプ用のコンロとスキレットで何かを焼いているエリックの姿があった。


「なにを作ってるんですか?」


「ああ、優吾か。ちょっと小腹が空いたんでキューバサンドを作ってるんだ」


「キューバサンドってなんですか?」


「なんだキューバサンドを知らないのか。ローストポークを挟んだホットサンドでな。キューバからやってきた移民がアメリカで広めたのが始まりなんだ」


「へえ」


 スキレットの上ではこんがりときつね色になったキューバサンドが焼き上っていた。とろけ出したチェダーチーズが焼ける音と濃厚な香りに優吾は思わず唾を飲み込んだ。


「ちょうど二つあるからお前も食えよ。美味いぞ」


「いいんですか?」


 エリックは焼き上がったキューバサンドを紙皿に移し優吾に差し出した。


「ではいただきます」


 大きな口を開けキューバサンドを噛み締めると、香ばしく焼けたフランスパンの香りとともにじゅわりとローストポークから肉汁が溢れ出る。そしてマスタードのピリッとした辛味とチェダーチーズの濃厚な味が後を追うように口いっぱいに広がっていく。


「美味しい……」


「だろ!それに塗ってあるマスタードソースは俺の特製なんだぜ。美味いにきまってるさ」


 優吾に続いてエリックもキューバサンドにかぶりつく。二口ほど食べたあと、わきに置いてあるコロナビールを手に取り一気に流し込んでいく。もちろんビンの飲み口には櫛形に切ったライムが刺さっていた。


「すごい飲みっぷりですね」


「プハアッ!やっぱキューバサンドにはコロナビールが一番だぜ」


 ほんの少しほろ酔いになったエリックはおもむろにコートのポケットからいつもの加熱式タバコを取り出し一服した。


「そういや悪かったな、四川軒でみっともないとこ見せちまって」


「大丈夫ですよ。むしろちょっと楽しかったです。あんなに楽しく食事したのとても久しぶりで……」


 二人の間に少し冷えた夜風が吹き込む。


「僕、2年前からずっと一人だったんです。朝も、昼も、夜も、ずっと一人で過ごしてきて……だから、あの時嬉しかったんです。家族だって言ってくれて」


「そっか…… なあ、2年前からってことはそれまでは誰かと一緒だったのか?」


「はい、5年前路頭に迷っていた僕を迎え入れた人がいたんです。親父さんって呼んでたんですけどね、その人が車の整備工場を営んでいたんでそこで働く代わりに住まわせてくれて……あの時はとても楽しかった……今乗ってる86もここで働いたお金で買ったんですよ」


「何で一人に……」


 その時、優吾の顔が少しひきつった。


「……殺されたんです」


「殺された……だって?」


「放火でした。僕が少し外出してるときに火を付けられて……」


「……」


『しっかりしろよ!父さん!母さん!』


 ふと、エリックの脳裏に過去の情景が浮かび上がる。あの時のことを思い出す度に、鼻腔にこびりつくような血のにおいも一緒に思い出す。そんなことを考えていると不意に目が少し虚ろになってしまう。


「エリックさん……?」


「ああ……わりい、ちょっとな」


 エリックは大きく紫煙を燻らせる。立ち上った煙はすぐに夜風によってサッとかき消されていく。その様子を見つめる目は、どこか寂しげに見えていた。


「さ、明日は本番だ。お前も早く寝る支度しとけ」


「は、はい」


 残りのキューバサンドを早食いで食べ終わらせ、コロナビールを片手にその場を離れていくエリック。優吾の目には、彼の後ろ姿がどことなく悲しげに見えていた。


『あの人の過去に一体何が……』


 まるで澱が残ったような感覚になる優吾。自然と瞼が重くなるのを感じると、キューバサンドを食べ終わらせ、ゆっくりとした歩みで戻っていく。


 二人が立ち去ってしばらくすると、風にあおられ何処からか古い新聞が飛んできてベンチに引っ掛かった。その記事の一角、小さな欄の見出しにはこう書かれていた。


『フロリダ州の家庭で銃撃事件。夫婦二人が死亡、息子一人が行方不明』




〜TIPS〜

アライメント:車体に対してタイヤやホイールが取り付けられる角度や位置関係の総称。アライメントが適正でないとタイヤの減りやハンドル操作などに影響が出てくる。

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