第3話
子スキピオ「ってわけでカルタゴ・ノヴァの占領成功しました!」
兵士「スキピオさん天才ですか」
子スキピオ「いいえローマのみんなで力を合わせたおかげです」
兵士「謙虚なんですね」
子スキピオ「と言うよりこの程度じゃハンニバルには勝てませんよ。彼は軍神マルケルス様でも勝てないんですから」
兵士「でも負けまくってますし軍神とも言えない気が…」
子スキピオ「ファビウス様に比べたらまだ戦ってるだけマシというか…。」
兵士「カルタゴ・ノヴァの財はどうしますか?奪いますか?」
子スキピオ「いけません!ローマはカルタゴと違って温厚だと思わせるのです」
兵士「”思わせる”ですか。確かに脱カルタゴは自発的にしてもらった方がこちらとしては嬉しいですね」
子スキピオ「そういうことだからマルケルス様、カルタゴを止めてください」
マルケルス「まぁそんなことならやってやるよ」
子スキピオ「お願いします心強いです。しかしヒスパニアの住民は忠誠心が低く利用するにも難しい」
兵士「カルタゴに騎兵を提供してるヌミディアに打撃を与えるのはどうですか?」
子スキピオ「それだ!なんで気づけなかったんだ。ヌミディア騎兵が一番厄介なんだ」
兵士「1番強いのはハンニバル直属の歩兵団じゃないんですか」
子スキピオ「確かにそれも強いが戦況によって動けないことが多すぎる分実はそこまで厄介じゃない…。とはいえローマとカルタゴ騎兵の差はヌミディア騎兵だったのか。ウチ馬嫌いだもんな!ヌミディア騎兵さえ頂ければ勝てる!」
ヌミディアにて
マシニッサ「おめぇがスキピオ殿だっペ?ヌミディアの王、いや元王のマシニッサだっぺ。敗将に会いたいとはどういうことだっぺ?」
子スキピオ「そんなに若くて王様になれるんですね。ローマは40歳からじゃないと執政官になれないのに」
マシニッサ「とりあえず負けたから王位はねぇだ。皮肉はやめて要件を言うっぺ」
子スキピオ「僕が王位を取り戻しますのでどうか騎兵を貸してください!」
マシニッサ「ありがとうっぺ。よろしくっぺ」
子スキピオ「あぁよろしく」
兵士「決断早いな」
マシニッサ「王になること以上にスキピオ君くらい強い人が味方に着いてくれるとカルタゴも怖くないっぺ」
市民「ハンニバルは怖いっぺ」
マシニッサ「あいつイベリア半島から出れないべ?ハンニバルとは戦ったことがないから負けたことないけどスキピオ君には負けたから仲間になる」
市民「当たり前ですよ…」
子スキピオ「必ず損はさせませんマシニッサ様!」
ローマにて
兵士「大変です!」
子スキピオ「どうしました?」
兵士「マルケルス様がお亡くなりになりました」
子スキピオ「マルケルス様が…」
兵士「自らハンニバル軍へ赴き伏兵に殺されたそうです」
子スキピオ「最後まで勇敢な人だったのだな」
マシニッサ「ただのアホだっぺ」
子スキピオ「そんでローマの様子はどうですか?」
兵士「ファビウス様がお一人で止めてます」
マシニッサ「じゃあなおさらマルケルスの偵察要らなかったっぺ」
子スキピオ「お前は横槍がうるさいぞ!」
マシニッサ「これで戦わないで講和に持ち込めるかもですね」
子スキピオ「どうだか、ハンニバルは今まで講和を無視してきましたから」
兵士「子スキピオさん、執政官になってください!あなたとファビウス様以外みんな亡くなってしまったのでそれしかありません」
子スキピオ「執政官…恐れ多いが自由になれるならそれが最適か…」
マシニッサ「おめでとう」
カルタゴにて
兵士「カルタゴに帰るの久しぶりですね」
ハンニバル「そういや15.6年くらいずっと帰ってなかったな」
兵士「しかも隊長って26歳からずっとですよね」
ハンニバル「恋人…家庭…全てを捨ててしまった……。」
兵士「隊長落ち着いて!それに隊長なら帰ったら女性にモテますよきっと」
ハンニバル「42歳からのモテ…」
兵士「ま、まぁずっとモテない人だっていますし」
ハンニバル「一生持てない人よりはマシって褒められてるのか分からないな」
兵士「ほ、ほら!カルタゴが見えてきましたよ」
市民「お帰りなさいハンニバル様!!!」
ハンニバル「なぜあなた方は援軍を送ってくれなかったのですか?」
市民「急に真面目か!まぁ勝ちっぱなしだったしいいじゃないですか」
ハンニバル「いいか、私の目的はローマにカルタゴを恐れさせることだ。今ローマが恐れてるのは私一人ではないか」
市民「でもハンニバル様は凄いですよね。ローマ・同盟都市にハンニバル様1人で戦って…」
ハンニバル「まぁそう言って貰えると嬉しいよ」
兵士「大変です!カルタゴ軍が休戦中にも関わらずローマの補給船を襲いました!」
ハンニバル「なーにやってんの!」
市民「海軍は休戦をなんだと思ってる!ローマは裏切りだけは絶対に許しませんよ」
ハンニバル「すぐに戦争になるだろうな。準備する」
市民「早く友達作ってくださいね」
ハンニバル「ふんっ、そんなものがいたら逆に戦争に支障が出るわ」
ローマにて
マシニッサ「まぁさっきまで戦ってた相手だしこういうこともあるっぺ」
子スキピオ「なんだとこの非国民が!」
マシニッサ「外国人ですから」
子スキピオ「ファビウス様、マシニッサは死んでもいいけどカルタゴを攻めてもいいですか?」
ファビウス「もう知らん行ってしまえ!約束を破った報復をしてやろう」
マシニッサ「ヘタレと噂のファビウスが怒ってる…」
ファビウス「あ?誰がヘタレだ」
ザマの戦いにて
子スキピオ「サインください!ずっと前からファンでした」
ハンニバル「は?そんなことよりカルタゴ政府と和解してくれ。海軍のことは詫びよう」
子スキピオ「サインサイン~」
ハンニバル「戦えばこちらが勝つだろうがお互い無駄な軍費をかけたくないだろ」
子スキピオ「先に休戦を破ったのはそちらでしょ?それにティキヌスの戦いからずっと戦ってみたいと思ってたんです」
ハンニバル「あーティキヌスの時の司令官もスキピオと言ったな。その息子がお前か」
子スキピオ「はい。あの場にいました」
ハンニバル「ならば仕方ない。交渉決裂だ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます