第2話
ファビウス「独裁官をクビって本当ですか?」
元老院「あたりめぇだろてめぇ!何街を燃やしてんだ?アァン?!」
ファビウス「奪われるよりマシでしょ」
元老院「戦えよ!戦って勝てばいいだろ」
ファビウス「なんすかなんすか、んでクビって本当なんですか?」
元老院「当たり前だろ!ちゃんと戦ってくれる2名を送り出してハンニバルに勝つからな」
ファビウス「いやー、俺ちゃんとやろうと思ってたけどむかつくわーいいよいいよはいローマの負けー!どうせ負けるわ」
子スキピオ「ファビウス様が解雇なんて悲しいです」
ファビウス「そう言ってくれるのはお前だけだよ」
子スキピオ「確かに作戦は他にやり方があるように思えるしそもそも防御だけで勝てるとか考えが甘すぎて1発ぶん殴りたくもなりますが解雇はやりすぎです」
ファビウス「バカにしてるだろ」
子スキピオ「他に考えられなかったんですか?」
ファビウス「くっ…」
兵士「大変です!執政官2人もハンニバルに負けました!」
ファビウス「ほらな」
兵士「カンナエの戦いです。ローマ8万に対してカルタゴはたった5万で勝ちました」
子スキピオ(やっぱりそうだ、カルタゴは適当に動いているのではなくハンニバルの緻密な作戦が勝利を導いているんだ。でも仮に僕もハンニバルのような指揮が出来たとして勝てるだろうか?)
ファビウス「おいスキピオ、考え事をするのはいいが顔が怖いぞ」
子スキピオ「はいファビウス様!」
ファビウス「私は独裁官から執政官に任命された。全く身勝手な事だな」
子スキピオ「そうですか、復帰おめでとうございます」
ファビウス「ハンニバルは30歳で君はまだ20歳だ。真正面から戦うというのはあまり賢くない選択だからね」
マルケルス「んなことあるか!年齢なんて関係ない、頭が良ければ勝てるんだ」
ファビウス「ゲッ…マルケルスか」
子スキピオ「マルケルスさん…」
マルケルス「俺も執政官に任命されたからよろしく!」
ファビウス「俺ともう1人お前かよ…」
カルタゴ(シラクサ)にて
市民「アルキメデスさん、大ニュースですよ!」
アルキメデス「なんじゃ?」
市民「我らのシラクサはローマからカルタゴの物になるらしいんですよ」
アルキメデス「わしも歳だからの、難しいことを考えるのは苦手じゃ」
市民「しっかしハンニバルも馬鹿だよな、ローマに逆らうとか」
ハンニバル「聞こえておるぞ」
市民「いつの間に!?すみませんすみません」
ハンニバル「俺は貴様には用はない。先生を借りるぞ」
アルキメデス「ハンニバルちゃん、なんの用じゃ?」
ハンニバル「ローマを倒す兵器を作れ」
アルキメデス「色んな案が実はもう浮かんでるんじゃ。張り切っちゃうぞ」
市民「危ないですよ。ただでさえローマとカルタゴは戦争中なのに先生まで攻撃されますよ」
アルキメデス「面白そうじゃしやる」
ローマにて
マルケルス「我々はシラクサを攻撃する。しかしあそこにいるアルキメデスという老人は傷つけるなよ。あいつは便利だ」
シラクサにて
アルキメデス「あーもう!兵士たちがわしが地面に書いた図形を踏んじゃうから消えるんじゃ!」
兵士「それ計算だったんですか…」
アルキメデス「これだから兵士は野蛮なのじゃ」
兵士「は?死ね」
アルキメデス「何をする!わしはハンニバル様に委任を受けた身であるぞ!」
兵士「黙れ死ね」
ローマにて
マルケルス「兵士が足らない」
ファビウス「おう、勇ましいなお前は。負けてばっかだけど」
マルケルス「これだけじゃ足らない。なぁファビウス、お前の兵余ってるだろ?貸してくれよ」
ファビウス「うちの可愛い兵を譲れるか!」
マルケルス「そうだ!奴隷を使えばいいじゃないか」
ファビウス「えぇ奴隷かよ。奴隷を名誉あるローマの公職につけるのか」
マルケルス「勝たないとダメなんだから変なこと考えても仕方ない」
ファビウス「負けてばっかなのにな」
カルタゴにて
ハンニバル(ここまで勝ちまくったのに俺のものになったのはシラクサとマケドニアだけ、ローマの威信はここまで強かったか)
兵士「ローマ兵は潰しても潰しても湧いてきてニキビみたいですね」
ハンニバル「気持ち悪いことを言うなよ」
兵士「隊長の勇気ある行動に惚れ込んで我々は動いています」
ハンニバル「勝利に勝る快挙はいらない」
兵士「俺らみたいな凡人も隊長といるだけで最強になれるのは嬉しいです」
ハンニバル「何かいい情報はないか」
兵士「そういえばローマで26歳の司令官がヒスパニア配属になったようです。人手不足とはいえ若者を配属とはざまぁないですね」
ローマにて
子スキピオ「くしゅっ!」
兵士「ヒスパニアは広大ですからじっくり戦いましょう」
子スキピオ「じゃあカルタゴの首都、ノヴァ・カルタゴを占領しちゃいますか!」
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