第8話 私だけの時間
電車の天井に乗ることができた。空は快晴で、青いフィルターのかかった都会の街が、画面越しではなく、直接目に映り込んでいる。
本当に、綺麗だ。
車両側に立っていた私は、時間を持て余したため、反対側に歩いてみることにした。電車の屋根の幅に余裕はあったけど、落ちたら大惨事だから、綱渡みたいに慎重に渡った。
歩きながら、考え事をする。
これまで何をやっておくべきだったか、自分のやってきたことは100%だったのか。こういう疑問の答えは、偶然わかるものだと思う。
答えがわかってから、答えがわかる。だから、今は考えるべきではないのかな。
歩いてる途中に、時々座り込んだりした。風が、心地よかった。
車両が、動き出した。
私とは真反対の、生きることを決めている人たちが、それぞれの集合場所に向かっている。
私の居場所なんてない。そんかことを考えている時、
彼が来た。—————
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