第7話 駅のホーム
これから先も、苦しみが待ってる。不安に打ち勝つことは、できない。未来に打ち勝つことはできない。
駅に着いた。私は、非常階段を探す。電車の上に乗って、飛び降りようと思う。
そんなことをする人は、今までにいないだろう。特別感を少しでも持って、いなくなりたいものだ。
監視カメラがあったり、駅員さんがいたりと、何度も保護された。
でも、その度に過去に戻って、対策を練り直しつつ、無事、非常階段を登ることができた。
望むことは失敗して、本坊でないことは解決できるんだ。どうしてこんなにもうまくいかないんだろう。
努力してもうまくいかなかったり、人に相談しても望む答えを得られなかったり。
今を変えようとすればするほど辛くなる。
非常階段を登ると、さらに上にも登れる階段があった。
ちょうど朝の出勤時間なのに、誰もこっち側に気づいてない様子だ。
みんな仕事の不安、考え事で頭がいっぱいなんだろうな。
駅のホームに並ぶ人々、日光で輝く天井の鏡、時折見える、人の笑顔。
劣等感で、心に痛みが走る。
いや、私は被害者だ。気負わなくていい。全部、諦めてもいいから、ここにきた。
現状に反発してきたから、この結末に落ち着いた。
全部出し切った。教室で痛いって叫んだり、友達に本音を打ち明けてみたり。
でも、過去に戻っても、挫折の繰り返しだった。
いじりすぎてしまったんだ、わたしたちの世界を。心を。
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