第6話
忠治はゾンビに食われて死んだ。薔薇男は眠りの魔法をゾンビにかけた。ゾンビは鼾を掻いて眠り始めた。忠治はモシンナガンでゾンビを射殺した。モシンナガンを奪われたら『氷結』の魔法が使えなくなる。
12月1日
長野大学の赤尾杉ゼミの仲間、理恵と伊織が、つくば市の谷田部で再会した。理恵は伊織の恋人、銀次に誘われて、彼らの郊外への鉄道旅行に同行することとなるが、女たらしの銀次が理恵と仲睦まじくしていることに腹を立てた伊織は怒りのあまり、突発的に列車から飛び下りてしまう。伊織は2人が止めるのも聞かずに、1人遠くに見える建物へと向かったが、一見集落に見えたのは、地元で墓場城と呼ばれる古城の廃墟であった。やむなくそこで夜を明かすことを決めた伊織であったが、その日の真夜中に、突如地の底から這い上がって来た不気味な二口女によって襲われてしまった。
二口女は、日本の江戸時代の奇談集『絵本百物語』(1841年)にある妖怪の一つで、後頭部にもう一つの口を持つという女性の妖怪。後頭部の口から食べ物を摂取するものとされる。
下総国(現・千葉県)のある家に後妻が嫁いだ。夫には先妻との間に娘がいたが、後妻は自分の産んだ娘のみを愛し、先妻の子にろくな食事を与えず、とうとう餓死させてしまった。それから49日後、夫が薪を割っていたところ、振り上げた斧が誤って、後ろにいた妻の後頭部を割ってしまった。やがて傷口が人間の唇のような形になり、頭蓋骨の一部が突き出して歯に、肉の一部が舌のようになった。この傷口はある時刻になるとしきりに痛みだし、食べ物を入れると痛みが引いた。さらに後、傷口から小さな音がした。耳を澄ますと「心得違いから先妻の子を殺してしまった、間違いだった」と声が聞こえたという。
同書では、傷口が人間の顔のような形になり声を発したり、食べ物を要求したりする「人面瘡」の話を引き、悪い行いをした者が人面瘡を患った話があることから、この二口女も道に外れた行いをしたための悪病だと述べている。このため、同書はこうした妖怪を通じて人道を説いているものとする説もある。
数日経っても伊織が戻らないことを訝しんだ理恵と銀次は、早速件の廃墟へと向かったが、そこで刑事の
神馬はどことなく江口洋介に似ている。
只ならぬ殺害方法に異変を感じ独自に詮索を始めた2人は、大学で
理恵たちは真相を探るべく、流山周辺で密輸業者となっていた枇杷島教授の息子らと共に遺跡を訪れる。
蛍は豊後が何故、ゾンビになったのか気になって仕方がなかった。
蛍は枇杷島の講義を思い出していた。彼は織田裕二にどことなく似ていた。彼は世界各国の怪談に精通していた。
ゾンビは「生ける死体」として知られており、ブードゥー教のルーツであるヴォドゥンを信仰するアフリカ人は霊魂の存在を信じている。こちらについては「目に見えないもの」として捉えている。 「ゾンビ」は、元はコンゴで信仰されている神「ンザンビ(Nzambi)」に由来する。「不思議な力を持つもの」はンザンビと呼ばれており、その対象は人や動物、物などにも及ぶ。これがコンゴ出身の奴隷たちによって西インド諸島のハイチに伝わる過程で「ゾンビ」へ変わった。
ブードゥーの司祭の一つであるボコにより行われる。ボコの生業は依頼を受けて人をおとしめることである。ボコは死体が腐り始める前に墓から掘り出し、幾度も死体の名前を呼び続ける。やがて死体が墓から起き上がったところを、両手を縛り、使用人として農園に売り出す。死体の魂は壷の中に封じ込まれ、以後ゾンビは永久に奴隷として働き続ける。死人の家族は死人をゾンビにさせまいと、埋葬後36時間見張る、死体に毒薬を施す、死体を切り裂くなどの方策を採る。死体に刃物を握らせ、死体が起き出したらボコを一刺しできるようにする場合もあるという。
もちろん、名前を呼ばれて死体が蘇るはずもなく、農民たちによる言い伝えに過ぎない。ブードゥーを信仰しているハイチなどでは、今日でも「マーケットでゾンビを見た」などの話が多い。また、知的・精神的障害者の様子がたまたま死者に似ていたケースを取り上げ、「死亡した人がゾンビ化される事例がある」などとされることもある。
実際にゾンビを作るにあたって、ゾンビ・パウダーというものが使用される。ゾンビ・パウダーの起源はナイジェリアの少数民族であるエフェク人やカラバル人にあるとされる。西アフリカ社会では伝統的な刑法としてこの毒が用いられており、これが奴隷たちにより西インド諸島に持ち込まれた。一般に、「ゾンビ・パウダーにはテトロドトキシンが含まれている」と言われている。この毒素を対象者の傷口から浸透させることにより仮死状態を作り出し、パウダー全量に対する毒素の濃度がちょうど良ければ薬と施術により蘇生し、濃度が高ければ死に至り、仮死状態にある脳(前頭葉)は酸欠によりダメージを負うため、自発的意思のない人間=ゾンビを作り出すことが出来る。ゾンビと化した人間は、言いなりに動く奴隷として農園などで使役され続けた。
蛍、睦月、桃太郎、氷室の4人はグアム・プレミア・アウトレット(GPO)にやって来た。グアム島の中北部、タムニンにあるショッピングモール。
GPOは、グアムで一番交通量の多い交差点であるマリーン・コー・ドライブ (1号線)とチャラン・サン・アントニオ・ロード (14号線)の交差点から、チャラン・サン・アントニオ・ロードを北へ入ってすぐのところにある。グアムの代表的な観光地でホテルが多いタモン・ビーチから、バス、トロリー、タクシーなどで5分程度の至近距離にあり、観光客が買い物に訪れる代表的な場所のひとつである。
モール内には、Nine West、アン・クライン、BCBG、ゲス、リーバイス、ナイキ・スポーツ、ABCストアなどが出店している。ファーストフード店も、KFC、バーガーキング、サブウェイ、タコベルなどがモール内のフードコートに集まっているほか、構内にはモール外の独立店舗としてRuby Tuesday、ウェンディーズ、Chili'sなどのレストランが配置されている。
GPOには、公共交通のバス路線に加え、民間の観光バスも乗り入れている。
「氷室さん、明日には日本に帰りたい」と、桃太郎。就活にバイトに講義、大学生も楽じゃない。
「分かった」
枇杷島は大学の研究室でロシアの書物を読んでいた。
バーンニク(ロシア語: Ба́нник, ラテン文字転写: Bannik)は、スラヴ神話に登場する浴槽の精霊。その名は浴槽を意味する「ヴァーニャ」から由来している。
風呂場のある小屋、サウナに住み、森に住む悪魔や精霊を浴場に招待する。風呂に入る人々は、風呂を出る時バーンニクの為に湯を残しておかねばならないと言われる。未来予知の能力を持っていて、風呂場の扉を僅かに開け、裸になって背中を風呂へ向けて出すと、バーンニクが触れてきて未来を暗示してくれる。爪で背中をつついたら凶兆、掌で柔らかく触ってきたのであれば吉兆の目印とされている。
入浴中に邪魔をされると、バーンニクは邪魔者に対して熱湯を浴びせたり、首を絞め殺しにかかってきたりする。
コロナがどうなるかバーンニクに尋ねてみたいものだ。
ロシアにはバーバ・ヤーガって怪物も棲んでいるようだ。
日本語では魔女、魔女ばあさん、山姥、鬼婆、妖婆などと訳されてきたが、近年は上述した「展覧会の絵」の副題にあらわれるバーバ・ヤーガの表記がされることが多い。だがスラヴ系のどの言語でもこういった言い方はせず、最も近いロシア語の読みに従った表記ではバーバヤガーとなる。
もとはスラヴ神話における冬の神話的表現に起源していると考えられている。後にスラヴ人がキリスト教に改宗することで古来の神々は善神ならキリスト教の聖人、悪神や自然の脅威を象徴した神なら妖怪、悪魔に置き換えられていき、北方の凍てつく冬の神話的表現は恐ろしい魔女のような妖婆として表現されるようになったものとされる。
またサーミ人の文化圏では高床式の倉庫がかつては造られていたが、これがバーバ・ヤーガの棲む「鶏の足の上に立つ小屋」というモチーフの外見的な由来に影響があったと考えられる。
森に住む妖婆。骨と皮だけにまで痩せこけて、脚に至ってはむき出しの骨だけの老婆の姿をしている。人間を襲う魔女のごとき存在で、森の中の一軒家に住んでいる。その家は鶏の足の上に建った小屋で、庭にも室内にも人間の骸骨が飾られているという。普段は寝そべって暮らしており、移動するときは細長い臼に乗る。バーバ・ヤーガが右手で持った杵で急かすと、この臼は少しだけ浮かび上がり、底の部分だけを引き摺って移動する。左手にはほうきを持っており、移動した跡を消す。
民話に登場するときはたいてい敵役で、子供を誘拐して取って喰うパターンが典型である。ゆえに多くの物語では、彼女の助けを借りるのは危険な行為として描かれている。しかし災いに陥った主人公たちを彼女が助ける民話もあるし、たいていの民話では主人公が礼儀正しさ、節度の遵守、魂の清らかさを示せば善玉としてふるまう。
多くの民話では一人しか登場しないが、三人のバーバ・ヤーガが登場する「鷹フィニストの羽根」といった物語もある。こういう図式の物語に登場するバーバ・ヤーガはふつう慈悲深くて、主人公に適切な助言をしたり、不思議なプレゼントを贈ったりする。
蛍たちはKFCに入ろうとした。
「ケンタッキー久しぶりだな〜、ツイスター食べたい」
睦月は腹ペコのようだ。
ロシアの生物兵器が店を襲撃した。
ヴォジャノーイとそいつは名付けられた。
男性の水の精で、ルサールカの夫とされる。
ヴォジャノーイは様々な姿に変化する。髭を生やしたカエルのような姿をしているといわれるが、人間の姿をとることもある。緑色の髪の老人、全身を苔に覆われた巨漢、裸の女性、大魚、巨人、さらにはボルゾイ、海老、小さな翼で飛行する木の幹など、様々な姿を見せる。時には、緑や白など様々な色へ変色する巨大な髭をもつ老人でもある。水門や水車そのものとして描かれることもある。
ヴォジャノーイの住み処は川や湖、池だとされ、特に水門や水車の側を好むとされている。彼らの宮殿は水晶で出来ており、さらに沈没船から調達した金銀および魔法の石で装飾されているという。昼間はその宮殿に潜んでおり、夕方になると宮殿を出て活動を始め、脚で水を叩いて遊ぶ。その水音は遠くまで響くといわれている。また、水車の羽根の下には、複数のヴォジャノーイが潜伏しているとされる。彼らは人間が水の流れを制御することを嫌い、水門の土手を壊そうとすることもある。
ヴォジャノーイはまた、人間を嫌い、隙をついて水中へ引きずり込むこともある。こうしてヴォジャノーイに捕らえられた人間は彼らの奴隷になってしまう。しかしヴォジャノーイは、嵐の時には漁師や水夫を助けることがあり、また、豊漁をもたらすとも言われているため、人々は彼らに供物を捧げていた。
ヴォジャノーイはロシアのマッドサイエンティスト、ピョートルによって造られた。触れた物に変身することが出来る。
今は西洋の甲冑に変身しており、サーベルで客を襲いかかった。
蛍は祖父からもらったお守りによりヴォジャノーイの鋭い突きを躱した。
睦月はコロコロチキンペッパーズのギャグを思い出そうとしたが、ド忘れして魔法を発動出来なかった。
桃太郎は氷室に「ねぇ、鞭とか持ってないの?」と尋ねたが、「こんなときにお喋りしてるなよ」と相手にされず、マゾポイントを獲得出来なかった。
蛍は激しく動いてるために疲れが限界に来ていた。足が縺れそうになったそのとき、京本政樹に似た男が颯爽と駆けつけ、手にしていた日本刀でヴォジャノーイに斬りかかった。
まるで『必殺仕事人』みたいだ、と氷室は思った。
男はヴォジャノーイを一刀両断した。
「助けてくれてありがとう」
桃太郎は頭を下げた。
男は
彼は30年前から来たらしい。
彼の手にしている妖刀『
「30年前って言うと、2005年か……俺たちまだ生まれてない」と、蛍。
2005年の漢字1字は「愛」・・・愛知県で「愛・地球博」が開催されたことや中国で活躍した卓球の福原愛など「あいちゃん」という愛称の女性の活躍が目立ったこと、「愛」のない虚無的かつ殺伐とした風潮が国内に蔓延したこと、家族(親子)間殺人など「愛の無い事件」が目立ったことなどから。
JR福知山線脱線事故や土佐くろしお鉄道列車衝突事故など鉄道事故が多発した。
小泉首相が行った郵政解散とその後の総選挙における政治手法は「小泉劇場」とも呼ばれ、大勝を収めた。
京都議定書発効にともなう地球温暖化対策として、クールビズが官民で積極的に推進された。
ライブドア(現・LDH)によるメディア買収騒動が起き、中心人物の堀江貴文を筆頭として六本木ヒルズに拠点を置くヒルズ族が注目を集めた。
洋菓子やデザートなどを「スイーツ」と言い換える表現が、この頃から女性向け雑誌などで見受けられるようになる。
この頃団塊ジュニア世代が出産適齢期となる中、合計特殊出生率が史上最低の1.26を記録。2006年以降、回復傾向となる。
右近は我が子を
「息子はまだ小学3年生だった。月子はサイコパスだった。蛟は右近家に古くから伝わる刀だ」
「その女は30歳だったのか?」と、桃太郎。
「そうだ」
右近の背後にメロンヘッドが迫っていた。メロンヘッドは鎌みたいな右手で右近の首を切断した。
蛍の足元に右近の生首がゴロリと転がった。
蛍は素早く、蛟を拾った。
蛍のバックルガンが炸裂、メロンヘッドは粉々になって死んだ。
蛍たちはヘリに乗り込み日本に戻った。
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