反逆の視線
あぁ神よ
あなたは私がどんなに祈ってもどんなにささげても何も答えてくれない
心の癒しを与えてくれるわけでもない
頑張っても成果が伸びず、つまずき挫折する
鏡に映った醜い私をあざ笑うように
私の毎日を踏みにじり、けなすように
それでも私はあなたに祈り
平穏な毎日を、意味のある生活を、と
毎日唱える
それでも救われないなら、救ってくれないのなら
いっそ私を誰か殺してくれ
そんな願いを神に、アーメン
そしてそれも今日で終わり
意味を持たない讃美歌を
もはやあるのか分からないアガペーを
互いに送り合い、そして嗤う
濃い黄色の服を着た私にそれはもはやいらず
それに対し抑えようとも抑えることのできないペーソスで
偶像を信仰し心のよりどころに勝手にしてしまった私が悪い
もしも神がいたのならば私は悪魔
それでも救いを求めて応えなかった神
どちらが正しかったのだろうか
笑みを浮かべ一人歩けない悪魔
待つのは死のみ
のうのう生きるより死者になり罪を償い
解放された方がよいだろう
煉獄よりもつらいこの世からは
最期に神が寵愛を授けてくださるのならば
私に死というサクラメントを
とても素敵な世界でした
もしも生まれ変わるならば
今度は宗教のない、人ではないものに
あぁ最期の最期まで祈っている、アーメン
「死にますか?」
神よ、最後まで私に罰を与えるか
しかし、幻覚幻聴など今までよりもはるかにぬるい
今の私がそのようなもので止まると思わないで頂こう
「死にたいですか?」
救いの声だったら、なんと良かったことだろうか
幻覚でなければ、幻聴でなければ、どれほど嬉しいだろうか
現実をまだまともに見れているあの頃に戻りたい
「過去に戻りたいですか?あのまだ神を信仰していない、まともと言えるあの頃に」
「もちろんです。貴方が神の見せる幻覚であったとして、それでもはっきり答えましょう。過去には戻れない、過ぎた時は取り返せない、それが事実なんです。許せません。神も、そして愚かで浅はかな自分も・・・」
「仰る通りです。過去は取り戻せないです。だから、これから起こる未来を変えてみませんか?」
「良い綺麗ごとをおっしゃいますね。ですが事実、綺麗ごとという言葉が生まれたのも。そんな世の中になったらいいなという願いであり希望ですよ。希望を持ち祈り願った自分は過去の自分、今はそんな物はないと諦めてこうしているんです」
「綺麗ごとです、否定しません。その綺麗ごとをしてみようと私は言っているんです。貴方が祈っていたのはどこにもいない偶像であり、未来ではありません。もう祈らずに生きていくのもいいでしょう。ですが何かを心の拠り所にしたいというならば。未来を、自分の本当にしたいものを、自分が未来と思えるようなものに祈りを捧げてみてはどうですか?」
とっても
もしもこれが本当にこの瞳に映っているひとならば
「どうか私を、解放の死か希望のある未来を授けて下さい・・・!」
「救いの手を差し伸べるのは神ではなくてもよろしいでしょうか?」
「はい、だから。祈るだけの人形になっている私を
「分かりました」
ふふふ、私は何をやっていたのでしょう
こんな事をして
「あなたは神を信仰することをやめました。これからは
「はい、そうです。・・・ありがとうございます」
今の偶像を捨てて、未来へ進む
それは一歩の裏切り、それでも私は
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