生まれてこれなかった私。

水妃

第1話 生まれてこれなかった私。

生まれてこれなかった私。


最近は、インターネットが発達した事によって、

とても便利になったよね。


様々な情報に触れることが出来たり、

面白い動画が観れたり。


その反面、

他者と比較してしまう機会も増えてしまったね。


平安時代に生きていた人が一生かけて受けていた情報量を

現代人は一日で脳内に注入されている状況と言われている。

脳は1万年は進化していないと言われていて

サバンナにいると脳は認識している。


でも情報量は半端無いわけ。


脳は原始人で情報量だけが増加している。

だから、

脳がヒートアップして疲れてしまうことがある。


インターネットとかで、

大昔は知る事も無かったであろう物凄い天才を見ると

小さい頃はあの人みたいになるんだって

モチベーションになることもある反面、

ほとんどは大人になるにつれてそれは儚く消えていく事が多い。


そんな時、

他者と比較してしまうことあるよね。


あの人に比べて自分は働けていない。

家でだらだらしているだけだ。


俺は何も世の中に役に立ててない。


私の夢は東京ドームでライブする予定だったのに

叶わなかった。


自分の友人はTVに出て活躍している。


自分の友人は漫画家になった。


自分の知り合いはプロサッカー選手になった。


大谷選手はめっちゃ凄い。



比較すれば自分より凄い人なんていくらでも出てくるよね。


そして、

自分なんていなくても良いんじゃないかって思えてきたり。



でもね。


正直、努力ではどうにかなる問題ではないんだ。

努力が足りないとか言われるけどそれだけじゃない。


先ずその活躍するスポーツがこの世にあるという運とか、

向いているという才能とか、

その人の醸し出す言語化するのが難しい生まれ持った独特の雰囲気とかが

プラスに働いたりする。


辛いよね。

努力して乗り越えられるならいくらでもするのにね。

努力ではどうにもならない現実。


それでも、

流産した私からすると、

産まれてこれなかった私からすると、

君の世界で生きてみたかったな。



そんな事、

産まれた事が無いから言えるんだ


世界は戦争だって、

ウイルス感染だって、

既に書いているような才能の差だってあるんだ。


生まれてこない方が良かったって思って

自分で死を選ぶ人だっているんだぞ?


って

大きな声でそう言われるかもね。



うん。

確かにそうかも知れない。


でも、

私は生まれて体験してみたかった。


喜びとか悲しみとか

しっかり世界を体験してみたかった。


そして、

綺麗な花をこの瞳で見てみたかったの。

そこの花びらに触れてみたかったの。



君は世界にいる。

私の代わりにたくさん、たくさん味わって欲しい。

頑張らなくて良いから、存在しているだけで良いから。

ただその目の前の花びらに触れて感触を教えて?

私にその香りを教えて……

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