百合計画が崩れる
翌日、登校した私は自席で今後の百合計画を考えることにした。
つかさちゃんは間違いなく百合の道に誘えた。
そうなると、後はスタイルが良い忍さんと簡単に百合に誘えそうな琴音ちゃんになるけど、つかさちゃんとの関係強化もしたいしなぁ…。
今日は入学式の翌日になる。日数が経てば経つほど、友達ができて人間関係が固定し始めるから、声をかけにくくなる。できれば1人の時に話したいし。
う~ん、悩むな~。
そう思った時、私の席にそばに誰かがいることに気付く。
確認すると、つかさちゃんだ。さっきはいなかったのに…。
「ごめんね、莉々ちゃん。考え事の邪魔しちゃって」
「良いの良いの。それよりつかさちゃん、どうかした?」
「えーとね、莉々ちゃんに話があって…」
「話? 何かな?」
「ここだとちょっと…」
周りをキョロキョロするつかさちゃん。
「わかった。場所を変えようか」
「うん、ありがとう」
私達は女子トイレの個室に向かう事にした。
共学って、こういう時が面倒だよね。女子同士で話せる場所がないから。
「それで、話って?」
「莉々ちゃん、キスをしてほしいの♡」
昨日とはまるで別人だ。ここまで言ってくれるとなると、フリではないね。
「良いよ」
私達はなるべく音を立てないようにキスをする。
近くに人がいる状況のキスは興奮するね♡
チャイムが鳴ったので、キスを止める。
今日はホームルームだけになる。明日からは授業になるらしい。
「チャイム鳴っちゃったね…」
残念そうに言うつかさちゃん。
「そうだね…。今日も私の家でやろ♪」
「うん♡」
笑顔で答えるつかさちゃん。
約束はできたけど、キスでムラムラした気持ちを発散したい…。
そう思った私は、つかさちゃんのスカートをめくる。
ライトブルーの下着だ。昨日はピンクだったね。
つかさちゃんの下着は、可愛いのばっかりだ♪
「もう、莉々ちゃんったら。お返しだよ♪」
つかさちゃんが私のスカートをめくり返してきた。
地味な黒の下着が観られる。
……お互いの下着を観て興奮した私達はキスを続行してしまい
結果、ちょっと遅れて教室に入ることに。…反省しよう。
今日のホームルームは、クラス委員長を決めるようだ。
クラスの代表は必要だよね。私は面倒だからやりたくないけど。
担任が募ったところ、手を挙げた人がいた。
物好きがいるなぁ、と思っていたけど、挙げたのは忍さんだ。
凄いな。よくやる気になるよね。
他に挙げる人がいないので、クラス委員長は忍さんに決定した。
彼女のようなスタイルが良い人が代表だと、なんか誇らしい。
その後、1年の大雑把な行事や予定を聴いたり、学校・日常生活の注意点とか
どうでも良い話を聴かされる。当たり前のことばかり言うから、聴く気にならない。
私は百合好きだけど、それ以外普通の女子高生だから問題は起こさないよ♪
ホームルームが終わり、放課後になった。
つかさちゃんの席に行こうとした時、忍さんに声をかけられた。
「春風さん。あなたさっき遅刻したでしょ? その事で、話があるんだけど」
そう言われると反論できないけど、つかさちゃんはどうなるの?
「つかさちゃんも遅刻したけど、彼女も?」
私と同じタイミングで教室に入ったんだから、彼女も該当するはず。
「いえ、春風さんだけに言いたいの。石井さんは関係ないわ」
どういう事? 何で私だけ?
今の私の立場では言い返せない。従うしかないね。
「わかったよ。その事をつかさちゃんに伝えるね」
「ええ、そうしてちょうだい」
私は一緒に帰れないことをつかさちゃんに伝える。
彼女は残念そうにしたけど仕方がない。
教室内に私と忍さんの2人だけが残る。
誰もいないことを確認した忍さんは、教室のカギをかける。
この学校の教室は、内側からカギをかけられる。
「やっと2人きりで話せるわ。春風さん」
「ねぇ、優木さん。絶対、遅刻の話じゃないよね?」
遅刻の話でつかさちゃんが関係ないのは、おかしいからだ。
「その通りよ。あれは春風さんに話しかける口実だもの」
「本当に話したいことは何なの?」
2人きりじゃないと話せないこと?
「春風さんって、百合でしょ?」
「…え?」
何でわかったの? つかさちゃんが話すわけないし…。
「自己紹介の時、妙に嫌らしい目で私を観るんですもの。すぐにわかったわよ。私もその気があるから、気持ちはわかるけどね」
忍さんも私と同じ百合好き?
嬉しいけど、今の私の立場は間違いなく狩られる側だ。
私は攻めたいけど、受けは嫌なの!
「春風さんがあの時遅刻したのは事実だし、おしおきさせてもらうわよ」
徐々に近付いてくる忍さん。私はどうすれば良いの?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます