第16話 メリッサの過去①

「どうして、、レオナルドの居場所を知ってるの?」


僕がメリッサに初めて会った時、メリッサは


『レオナルド、、聞いた事がないですけど』


と言っていた。だけど、、居場所を知っていたということは……。嘘をついたということ!?どうして、そんな嘘を付く必要があったんだよ!!


突然、メリッサは涙を流し始めた。


「ごめんなさい。ごめんなさい……」


メリッサは何度も僕に謝っていた。


「何で嘘をついたの?」


「あなたとレオナルドの関係性がよく分からなくて、、もしかしたらディアボロス帝国のスパイかもしれないと思ってたの……」


「メリッサは何でレオナルドの場所を知ってるの?」


「私は元々……ディアボロス帝国の幹部だったの。その時にレオナルドが連れられてきたの」


メリッサがディアボロス帝国の幹部だった!!衝撃で動揺が隠せない。もしかしたら、僕の敵かもしれない。


「でも、ディアボロス帝国が嫌だった私は、逃げ出してきたの。この国にレオナルドと」


メリッサは全てを話してくれた。レオナルドとの関係性、地下に居る理由を……。






メリッサは、エリアントス王国の王女メアリーとディアボロス帝国幹部バスターの間に生まれた子供だった。ドラゴンと人間の間に生まれたメリッサは人間の遺伝子を強く持っていた。


メアリーはこの国の次期王女にするために、さまざまなマナーを教えて行った。


一方、バスターは剣術をメリッサに教え、いずれディアボロス帝国幹部に入れようと考えていた。


バスターはドラゴンの癖に、剣術のレベルはトップを誇っていた。それに加えて、ドラゴンの特徴である炎や天候、全てを操る事が出来る最強のモンスターだ。


でも、メリッサは剣術の才能が全然無かった。メリッサが2歳になった時、職業を選ばないといけなくなった。バスターは勇者になれと言ってきた。メアリーは、何でもいいよと言ってくれた。


早く職業を決めないといけない。1日中考え込むこともあった。これから一生この職業で生きていかないといけない。女子に人気なのは、商人と魔法使い。男子に人気なのは、勇者と農家。


森の中を1人で歩いていた時、目の前にワイバーンが現れた。目の色が赤く、モンスターの凶暴化を起こしていた。


「ウォーーー」


早く逃げないと、、。逃げようとしたが、すぐに追いつかれてしまった。もう死ぬかもしれない。


「タイムストップ!!」


――ワイバーンの時が止まった。


何が起きたかわからなかった。目の前で動きを止めるワイバーン。


「ライトニングキャノン!!」


光のエネルギーを溜め、一気にワイバーンに放出した。ワイバーンは倒れ、光の粒子となり、空に消えて行った。


「大丈夫?」


その女の人はメリッサのところに駆けつけてきた。


「ありがとうございます」


この時、メリッサは、魔法使いになろうと決意した。


「あの、、私に魔術を教えてください!!」


「良いよ。私の名前は、ラミー。よろしくね」


ラミーは、この世界に存在する魔法使いの中でトップの強さを誇っている。時を止める魔術を過去に挑戦した者は無数に居るが、出来たものは1人も居なかった。


そんな中、ラミーは3歳で時を止める魔術を習得し、大ニュースとなった。


魔法使いになると覚悟したメリッサは、ラミー先生の所で修行を積んだ。


そんなある日、お母さんのメアリーが暗殺された。

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