第15話 手紙
アリスは少しずつ成長し、言葉を上手く話せるようになってきた。
そんなある日、カモメが手紙を1枚持ってきてくれた。送り主はレオナルドからだった。
レオンへ
レオンもアリスもお父さんも大丈夫?俺は、ディアボロス帝国に捕まったけど、楽しくやってるよ。心配しなくても大丈夫だよ。今は、エリアントス共和国でのんびりバイオレンスウイルスの研究をしているよ。またいつか遊びにきてね。みんなに会いたいなあ……。
心配していたのがバカみたいに思えた。レオナルドは、元気にやっているんだ。僕達も前に進まないと。
それから1ヶ月が経ったある日、突然、アリスの目が赤くなり暴走を始めた。バイオレンスウイルスによる影響だ。
アリスが暴れる中、僕はスライムと出会った。スライムと協力して、アリスを止めた。アリスは死んでしまったが、蘇生の石を3つ集めれば、、きっと……。
スライムは名前をアレックスと名乗った。その名前を聞いた時、お父さんの顔が浮かんだ。お父さんと同じ名前か……。カッコいいな。そう思った。
外を歩きながら、スライムのアレックスを殺してしまったことを後悔していた……。相棒だったのに。これから1人でどうやって生きていけば良いんだよ。
アリスが居なくなって寂しくても、アレックスが居てくれたから何とかなったのに……。
会場に戻ると、デスバトルは終わりを迎えていた。ハルカはバスターに負け、殺されていた。
まあハルカは誰か知らないから、興味ないけど。
メリッサはまだ下を向いて泣いていた。
「ねえ、どうしてモンスターと人間が戦わないといけないんだよ……」
僕がそう言うと、メリッサが小声で答えてくれた。
「負けた奴はバイオレンスウイルスに感染させられるんだ。バイオレンスウイルスには、死んだモンスターを蘇らせ、凶暴化させる効果があるんだ」
その言葉を聞いた瞬間、頭の中に最悪な未来が見えた。
いつかアレックスがバイオレンスウイルスに感染して、、僕の敵になるかもしれない!?
いや……そんなことは起きない。アレックスはバイオレンスウイルスにも勝ってくれる。
「詳しいことは、、私の家で話すよ」
会場の外に出て、僕はメリッサの部屋に帰った。お金は少しだけ貰えたが、お金なんかもう関係なかった。この国の秘密を知りたい。バイオレンスウイルスについてもっと知りたい。
メリッサは僕に向かって小声で言った。
「レオナルドは、この城の地下の研究所に住んでいる」
レオナルドという言葉を聞いた瞬間、胸が高鳴った。
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