第14話 レオナルドの物語

鬼の方に近づくバスター。バスターは、


「この国を破壊しろ……」


それだけ言って、飴らしき物を鬼の口に入れた。その瞬間、倒れたはずの鬼が起き上がり、目の色が赤く光り暴れ始めた。


次々に家や人間、モンスターを破壊していく。


何が起きているのか。さっぱり分からなかった。でも、ジャッキーが危惧していたのは、この事だったのかもしれない。


早くレオナルドと合流しないと……。レオナルドを探すために走り出した。





一方、レオナルドは、家の研究室に隠れていた。


「ここなら、絶対に見つからないだろう」


なんでもありの鬼ごっこだから、家に隠れるのもありだ。そう判断したレオナルドは、鬼ごっこが始まる前から研究室に隠れようと考えていた。


研究室には、エンジン付きの靴を開発するための資料が沢山散らばっていた。


「ゆっくりお茶でも飲もうかな……」


コンコン


扉をノックする音が聞こえる。もうバレたのか。そう思ったレオナルドは、研究室のもう1つの扉から出て、外に出た。





レオナルドは外の景色を見た瞬間、絶望した。


家は全て破壊され、大量に倒れた人やモンスターがこの国中に散らばっていた。悲惨な光景だった。


何が起きたか何ひとつ分からない。レオナルドは、ゆっくり国中を歩き回った。鬼の姿もどこにも無い。


レオンとアリスを探さないと……。そう思い、国中を探したが、倒れた人が余りにも多すぎて、、探す気力を無くした。このまま、どう生きていけばいいんだろう。レオナルドは大声で叫んだ。「助けて」と。


そこに1人の女が近づいてきた。


「大丈夫?」


その女性は優しくレオナルドに声をかけた。


「ううん」


レオナルドは首を横に振った。全然大丈夫では無かった。


「私の所に来る?毎日が楽しいよ……」


「うん」


レオナルドはその女性に付いて行った。付いて行った先にあったのは、ディアボロス帝国だった。彼女は、ディアボロス帝国幹部の1人だった。






5体の鬼をバイオレンスウイルスにより凶暴化させ、この国はディアボロス帝国の支配下に置かれた。バスターによって、この国の名前は改名させられた。


『ジャッキー王国』


ジャッキーとがディアボロス帝国の幹部となり、国を支配した。ジャッキーの昔からの相棒だったアレックスもディアボロス帝国の幹部になった。


そして、アレックスは幹部という権力を使い、メスのモンスターや女子を沢山呼び、ハーレムを築き上げた。この国では、一切の自由が許されない。アレックスとジャッキーにのみ自由が与えられる。そんな国に生まれ変わった。





森の中に逃げた僕は、倒れたアリスを見つけた。アリスは左目に眼帯を付けていた。


「何があったの?」


問いかけても答えてくれない。僕とアリスはこの森で生き抜く事を決めた。

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