第11話 鬼ごっこ①
それから1週間後、レオナルドがディアボロス帝国に捕まるきっかけとなった鬼ごっこが行われた。
鬼ごっこは、この町で毎年、祭りとして行われていた。鬼のモンスターを5匹、小型の犬型モンスターを10匹、使い、国全体を使った鬼ごっこ大会だ。
最後の1人まで生き残る事が出来れば、賞金10000ドゥーク貰える。最高の祭りだ。大人も子供も参加する。
鬼に対してだったら、何をしても良い。剣でダメージを与えても、魔術を使っても構わない。何でもありの鬼ごっこだ。
鬼に捕まれば、檻の中に連れていかれる。でも、1回だけ条件を満たせば脱出できる可能性もある。捕まっても大逆転の可能性がある。そんな楽しい祭りだ。
僕とレオナルドとアリスとお父さんの4人で参加していた。お母さんは、僕が産まれる時に死んだと聞いている。
賞金を手に入れる為、練習を行った。お父さんは熱が入っており、僕達に熱血指導を繰り返していた。
「鬼が来たらどうする?」
「剣で倒す!!」「魔術で倒す」「この鬼専用の兵器を使って勝つ」
「甘いな……。戦って勝てるような相手では無いぞ。鬼のレベルは150。上限をはるかに超えている。鬼が来たら逃げるしか無いんだよ!!分かったか?」
「はい」
鬼のレベルは150。めちゃくちゃ強敵だ。でも、昔、この鬼を倒した者もいたらしい。1本の剣を使って、鬼と互角に戦い合ったらしい。今は、ディアボロス帝国の幹部に居るらしい。
そいつは、ドラゴンのような見た目をしているらしい。その当時のレベルが100。化け物だ。
鬼を倒せば、賞金1000000ドゥークが支給されるが、倒せるはずが無い。
そんな感じで1週間、足の速さと逃げる術を覚えて、当日を迎えた。
その日、僕達の国では朝から大盛り上がりを見せていた。みんなが会場に集まっていた。僕達も準備を始めた。剣の刃先を綺麗に磨き、切れ味を良くし、レオナルドは、エンジン付きの靴の最終確認に入っていた。一方、アリスは家から姿を消していた。
アリスがどこに行ったか分からない。でも、大会の時には戻ってくるだろう……。そう思っていた。
今となっては、その考えが甘かったのかもしれない。また……ディアボロス帝国の幹部がこの国に侵入していることを知らなかった。
ディアボロス帝国の幹部2人と1匹のモンスターがこの国の入り口まで来ていた。
「準備は良いか。この鬼ごっこ大会で盛り上がる中、鬼にバイオレンスウイルスを感染させて、凶暴化を起こし、この国を破壊する事。それが俺たちに課された使命だ」
「分かってるよ」「ウォーー」
1匹のケルベロスと人の言葉を話せるドラゴン、そして、1人の女子で構成された幹部達。
その中のドラゴンの名はバスター。かつて、鬼を倒した最強の怪物だ。
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