第8話 デスバトル
その掲示板の中には、僕とレオンの名前もあった。僕がレオンと戦わないといけないのか。
「何で、何で、モンスターと人間が戦うんだよ!!」
メリッサはずっと黙ったままだった。
「ここはモンスターと人間が共存する場所じゃ無いのかよ……」
僕は、クリスティーヌにレオンと同じ様な言葉を言った。でも、クリスティーヌも黙ったままだった。
何も分からないまま、椅子に座った。次第に人数は集まり、モンスターと人間で満席になった。観客席の下の方にあるスタジアムに1匹のドラゴンが現れた。
「お前達、これからディアボロス帝国幹部の俺が主催するバトル大会を開催する!!」
「イェーイ」「サイコー」「イイー」
モンスターと人間の歓声が1つになり、地下中に響き渡る。何が起きているのかさっぱり分からなかった。
「俺の名は?何だ?」
「バスター様!!」「バスター様!!」
みんなが声を上げ始めた。バスター様?
バスターと言う名前に聞き覚えがあった。
もしかして、、鬼ごっこの時に助けてくれたディアボロス帝国の幹部かもしれない。
「まず、どちらが勝つか予想して、お金を何ドゥークか試合前に出してもらうぜ。予想的中すれば、賭けたお金が5倍で帰ってくるぜ!!ただし、外れた場合、対決してくれた人に行くぜ!!残念なことにモンスターは賭けには参加できないんだ」
「まず、1戦目は……クリスティーヌVSメリッサ!!クリスティーヌとメリッサは観客席から降りてきてください」
「じゃあね……」
それだけ言ってメリッサは観客席から出て行った。何か不穏な空気を感じた。僕達の目の前に2つのボタンとお金を入れる場所が出てきた。予想しないといけないのか……。
「レオン、どうするの?」
「まあこの試合を見届けるしか無いな。次は僕達だからどんな感じか見とかないと……」
「何ドゥーク賭けるの?」
「今、持っているのが20ドゥークだから。忽ち、5ドゥーク賭けようと思う。どっちが勝つと思う?」
でも、流石にメリッサとクリスティーヌは仲が良いから、ガチで戦うような事は無いだろう……。
やっぱり、、クリスティーヌの方が強い気がする。メリッサのレベルは30。クリスティーヌのレベルが40。レベル差でも圧倒的にクリスティーヌの方が有利だ。
「クリスティーヌじゃない?」
「僕もそう思うよ」
クリスティーヌに5ドゥーク賭けた。予想結果が前にあるモニターに表示された。
メリッサ 40%
クリスティーヌ 60%
クリスティーヌが少し上だ。スタジアムにメリッサとクリスティーヌが現れた。メリッサは魔法の杖を持っていた。
「それでは、バトルスタート!!」
僕はこの試合を甘く見積もっていた。体力が0になったら負けで全てが終わると思っていた。
でも、、違った。モンスターと人間の殺し合いだった。体力が0になっても終わらない。地獄の試合が始まった。知り合ったばかりなのに……。僕は、目を瞑っていた。こんな試合見たくない。
――響き渡るアナウンス。
「勝者 メリッサ」
目を開けると、クリスティーヌが倒れていた。クリスティーヌは、死んでいた。
地下で行われているバトルは、命懸けの戦い。どちらかが死んだ時、決着は着く。この国のモンスターや人々は、このバトルを『デスバトル』と呼んでいる。
このバトルに負け、死んだ者は、バスター様に捕まり、どこかに連れていかれる。メリッサは闇に消えて行った。
僕の体は震えていた。こんなの嫌だよ……。
「次は新米同士のバトルだ!!レオンとアレックス」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます