第7話 モンスターVS人間
「僕の兄のレオナルドを探していて……」
レオンは、兄のレオナルドについて色々と話した。メリッサは頭を抱え込んでいた。
「あなた達はどこからきたのですか?」
2人が話している間に、クリスティーヌが話しかけてきた。
「森の中から……」
「あなたとレオンさんの関係は?」
「僕はレオンの相棒です」
「良い関係ですね」
「ありがとうございます」
「でも、、私もレオナルドという名は聞いた事がありません」
「レオンはここに居るって言っていたけど……」
「うーん。でも、ここに住めば何か分かるかもしれませんね」
レオンとメリッサの話も終盤に向かっていた。
「この部屋の隣が空いています。是非、使ってください」
「お金は?」
「お金は後払いで結構です」
「何ドゥークかかりますか?」
ドゥークって何だよ……。1ドゥーク何円なんだろう。
「100ドゥークで」
メリッサがそう言った瞬間、レオンの顔が曇った。
「そんなお金有りませんよ」
「大丈夫です。お金を稼ぐ方法ならあります。明日の朝、私の家に来てください」
きっと100ドゥークは大金なんだろう。お金を稼ぐ方法って、、。この世界にもアルバイトという概念があるのかな……。
隣の部屋に入ると、メリッサの部屋とは真逆でベットや家具、テレビも置いてあった。現実世界のホテルとほとんど変わらない。
「今からメリッサのところに行くからここで待っててね」
そういうと、レオンは僕を置いてメリッサのところに行ってしまった。
誰もいない部屋の中、僕は強いモンスターに備えて擬態化の練習を始めた。毒は何とか克服出来たが、新技の擬態化はまだやった事が無い。
頭の中でレオンをイメージして、レオンの体に変身した。毒であんなに失敗したから、さすがに1発では成功しないと思っていた。
気がつけば、二足歩行で歩けるようになっていた。鏡を見るとレオンそっくりになっていた。
「えっ!?」
思ったよりクオリティが高くて、びっくりしてしまった。この技はモンスターを騙すのに使えるかもしれない。
「帰ったよ」
レオンの声が聞こえて、急いでスライムの形に戻った。
「何してたの?」
「何もしてないよ……」
「それより、メリッサの魔法でスライム専用の家を作ってもらったからそこに入って」
レオンはスライム専用の小さな家を部屋の隅に置いた。
「そう言えば、名前なんて言うの?」
相棒のはずなのに、、名前聞くの遅すぎるよ。そんなことを思いながら笑顔で
「アレックス」
と言った。
「良い名前だね」
それから1日、この部屋で過ごした。
次の日の朝、メリッサの部屋に行くと、大量のノートを持っていた。
「それ何なの?」
レオンがメリッサに聞いたが、答えてくれなかった。メリッサとクリスティーヌに連れられてきた場所はこの国の地下だった。
地下には、巨大なコロシアムが存在していた。
「これって、、」
メリッサは無言のままだった。
前にある掲示板に文字が表示されていた。
今回の勝負内容
第1試合 メリッサVSクリスティーヌ
第2試合 レオンVSアレックス
第3試合 ハルカVSバスター
僕には全く意味が分からなかった。なぜ、自分の名前が書かれているのか?どうして、レオンと戦わないといけないのか?この国は、モンスターと人間が共存する社会を目指している筈では無かったのか……。
『エリアントス共和国へようこそ。ここでは、モンスターと人間が共存する社会を目指しています』
僕達がこの国に入った時、流れたアナウンス。
どうしてモンスターと人間が戦うんだよ……。
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