スライム

第5話 兄

森の中で僕はレオンに話しかけた。

 

「レオンの兄の名前って何なの?」


「レオナルド。2歳の時にディアボロス帝国に捕まってしまったんだ。だから、今、何してるかは知らない」


「どんな人なの?」


「レオナルドはとにかく頭が良かった。2歳で職業を決めないといけないんだけど、レオナルドは剣も魔法も才能が全然なかったから、、みんなから笑われてたよ」


2歳で職業を決める……。2歳って早すぎだろ!?この世界は成長の速さも違うのかもしれないな。そんなことを思いながら、レオナルドの話の続きを聞いた。


「ある日、僕とアリスとレオナルドで鬼ごっこをしてたんだ。アリスは魔法を使って、僕は剣を使って相手を邪魔しながら遊ぶ鬼ごっこを。その時、レオナルドはディアボロス帝国の支配下に踏み込んでしまって、捕まってしまったんだ……」


魔法と剣を使った鬼ごっこ。どんなものか想像出来なかった。相手を邪魔すると言っていたから、、剣を使って木を倒したり、魔法で障害物を作ったりするのかな。レオナルド、、何だか可哀想に思えてきた。


「ディアボロス帝国の支配下は故郷から近かったの?」


「いや、少し遠い。この森を抜けないといけないから……。だから、何か森の中で見つけてそれを追いかけていたのかもしれない」


「何でレオナルドが捕まった事を知ってるの?」


「レオナルドが居なくなってから1ヶ月後、ディアボロス帝国から手紙が来たんだ。もし、レオナルドを返して欲しければ、お父さんの命と交換だと。お母さんは産まれてすぐに死んでいた。お父さんは、この手紙を読んで、夜中に出て行ってしまった。それっきり帰ってこなくなったの……」


お父さんもお母さんも居ない中、2人が生きてきたと考えると、涙が出てきた。


「みんな、レオナルドの事を想っているんだなあ」


「2人で過ごしていたある日、僕の家に手紙がエンジンが付いた紙飛行機で届いたんだ。そこには、レオナルドの文字でエリアントス共和国に居ると書かれていた。だからいつか行きたいと思ってたんだ。でも、アリスの面倒も見ないといけないから行けなかった。やっと今日、行く理由が出来たよ」


「必ずレオナルドに会おう!!そして、神様にも会って、アリスを取り戻そう!」


「うん」


エリアントス共和国の入り口まで来た。入り口に2人の門番が立っていた。その門番をレオンが剣で切り、中に入って行った。エリアントス共和国の中にはモンスターが沢山歩いていた。

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