#7.5 教えて! 環隊長!

まいど! FCC大阪支部、難波隊の隊長、環や!

今日はうちが、FCCとはなんぞや、フールとはなんぞや、いうことを教えるで!

一応おさらい的なことばっかやから、飛ばしてもOKやで! でもせっかくうちがあれやこれや喋るから、まあ、できたら聞いてもらえるとありがたいかな。




まずやね、今から40年以上前に、世界で初めて「フール」いうもんが認識されたん。アメリカの小さい子どもの事例な。なんかお母さんの髪の長さが、あっちの世界とこっちの世界で違ったから気づいたらしいで。もしかしたらその前にも同じことが起こってたかもわからんけど、歴史上最初やと言われてるのはその事例やねん。


ほんで、入れ替わった人間にもええやつ(無害なやつ)と悪いやつ(有害なやつ)がおってな、カテゴリー分けされるようになったんよ。


カテゴリー1は、ふつうに日常的にそこらにおるやつ。周りが気づくこともあるけど、基本的に無害やからほったらかし。『無害認定』とも呼ばれとるな。でも向こうの自分と記憶は共有してないみたいやし、行ったり来たりしてる間の印象も曖昧みたい。だいたい長くて1週間くらいで元に戻るねんけど、複数回入れ替わったりする人も珍しくないな。頻繁な例やと月イチくらいで入れ替わる人もおるんやて。


で、次がカテゴリー2な。これもたまにそこらにおるけど、ちょっと荒っぽくなるっていうか、攻撃的やったり粗暴やったりするみたい。これは『注意認定』って呼ばれたりもする。犯罪に走ったりすることもたまにあるから、ちょっと要注意やね。目立つ場合はFCCの監視がつくこともあるで。1日から数日で元に戻るんやけど、これは周りの人も気づきやすい。カテゴリー2の人は、周囲から避けられたりしがちで、それが問題になったりもするな。


ほんで、カテゴリー3な。これは『有害認定』言うて、FCCによる討伐の対象になる。でも殺すんやなく、瀕死にする。いつからかそう決まってん。せやからうちらは「必殺技」とか使わんのよ。殺すんが目的ちゃうからな。これなー長くて2時間くらいで戻るんやけど、2時間もほっといたら甚大な被害が出るから、とにかく短期決戦で制圧せなあかんな。あ、カテゴリー3が発現した人はほぼほぼFCCに制圧されてるんやけど、実は逃げてしまったやつもおるんよ。日本の話ちゃうねんけどな。もともと闇の世界の住人? らしくて? 次出てきたら絶対すぐ制圧せなあかんな。




フールには「フール細胞」いうもんがあって、これを攻撃するための兵器を「フール兵器」っていうねん。うちらはみんなそれ持ってる。うちはナックル型で、めいちゃん(森永明治)は刀な。理子ちゃん(綾式理子)は狙撃銃。遠くから狙ってうちらをサポートしてくれるんよ。これで攻撃すると、フール細胞を損傷させられる。中途半端やとめっちゃ超回復してくるから、どんどん攻撃せんとあかんねん。


あ、うちらもな、回復能力すごいねん。フールの力持っとるからな。

少々フールにやられても、体は修復できるから続けて戦えるねんけど、制服とかフール兵器は自動で直ったりせえへんから、まああんまり損傷が多いと全裸で戦うみたいになってまうな。R-18になってまうな。気ぃつけなな。


えーと、えー、うまいこと制圧できたカテゴリー3のフールは、「フールの力を抑え込めた」状態やねんな。で、それをうまいこと使いこなせたら、人間離れした身体能力と、回復能力が身に付くねん。だから、それを生かしてFCC隊員として働いている人がたくさんおるねん。

ただな、世間的には「カテゴリー3のフールはFCCに倒された、処理された」と思われとるわけよ。「カテゴリー3は悪」「カテゴリー3は災害」「カテゴリー3は人類の敵」と思う人も、まだまだいっぱいおるんよ。だから、そんな存在が実は生きていて、フールと戦っている、って聞いたらびっくりしてまうやろ。だからこれは秘密。一般の人は知らん機密情報。家族とかすらそれを知らんことが多いんよ。


一応めんどい手続き踏んで、家族に安否を知らせることもできんことはない。でも、それを公にしすぎると、結局FCC全体の秘密をばらすことになってまうからな。その手続きした人は多くはないねん。

うちの理子ちゃんは弟くんが近くに住んでるから、一応安否は知らせてあるはず。志摩隊のミドリちゃんもやな。ちょっと特別な状況なんやけど。




今回はこんな感じやね。

ちょくちょくFCC隊員が口挟みに来るから、またよろしくやで。


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