第160話 集結②
「おおお…リン君の召喚獣を使うとは聞いていたが…想像以上に凄いなあ…」
スタトリン在住のジャスティン商会職員の、リンの生活空間に作られた居住地への引っ越しが完了し…
ここからは王国にある店舗に勤務している職員を、その居住地へ誘導し、引っ越ししていくこととなる。
最も、スタトリンからサンデル王国の最北端となる峠までは、常人であれば徒歩で早くても十日、遅ければ二週間以上はかかってしまう。
馬車を使っても、よほど馬力のある馬でもなければ三日から五日はかかってしまう。
その為、移動手段をどうするかは、ジャスティンとイリスにとってはかなりの重要課題だったのだが…
リンが召喚した、飛竜タイプの召喚獣の背に乗って空から、サンデル王国にあるジャスティン商会の各店舗に移動することとなり…
実際にそれに乗って移動しているのだが、スタトリンから最も近い店舗であればわずか一時間で到着できると言うその規格外な速度に、ジャスティンは驚きつつもまるで物語の英雄譚を読んだ子供のように興奮してしまっている。
「ああ…リン様…リン様は本当に凄いお方です…♡」
イリスも同じように驚きつつも、その規格外さにますますリンへの愛情が深くなっていくのを実感し…
リンのすぐそばに寄り添って、離れたくないと言う思いをそのまま表すかのようにしている。
飛竜タイプの召喚獣なので、かなり大型で目立つのだが…
そこはリンもピアと同じように【闇】属性の隠蔽魔法を使って、その姿を見られないようにしている。
元々隠蔽魔法は使えなかったリンだが、ピアに教わって使えるようになっている。
加えて、その規格外の速度から来る物理的な風圧の影響を受けないように、【空間・結界】で自分達を護る為の防護シェルターを作っている。
防護シェルターは前傾の流線形にして風を極力受け流すようにしており、風の抵抗はほぼ受けなくなっている。
「おお!もう見えてきたぞ!」
スタトリンを出発して一時間弱。
サンデル王国の最北端にあるジャスティン商会の一店舗が、ジャスティンの視界に入ってくる。
「本当に速いですね…馬車があっても五日は見ないといけない距離なのに…」
「?は、速い、と、よ、よく、なかった、で、ですか?」
「!とんでもございません!むしろリン様が凄すぎて、私またリン様のことが…♡」
「?イ、イリス、さん、が、よ、喜んで、く、くれた、なら、よ、よかった、です」
「!!~~~~~~~(ああもう!!リン様可愛すぎます!!ああ~…リン様ぎゅってしたいです…あのすべすべぷにぷにのほっぺにい~っぱいキスしたいです…リン様…リン様…♡)」
きょとんしたした表情も、自分の喜びを我が事として喜んでくれる言葉も…
リンの全てが可愛くて愛おしいイリスは、もうリンをめちゃくちゃに愛して可愛がりたくてたまらなくなってしまっている。
【空間・生活】と【空間・転移】が使えるリンがいれば、こうして国内の店舗行脚に出かけてもすぐに拠点に戻って休んで、それからまた行脚を再開する、と言うことも何の問題もなくできるのだが…
そこはイリスが頑なに、宿は道中で取ると言って聞かなかったのだ。
理由はもちろん、この店舗行脚の間だけでもリンを独り占めしたいと言うイリスの欲望から来るものなのだが…
リン自身も、生活空間での生産活動は家族達に任せられるし、自身の【空間・作業】による作業空間でもできるのと、行ったことがないところにぶらっと出かけるのも面白そうだし、そこで野宿するのも楽しそう、と思った為…
イリスの欲望に満ち溢れたその言葉も、特に疑うことなく受け入れ、道中は自身が作った簡易拠点で宿を取ることに決めたのだ。
最も、そんなイリスの魂胆にジャスティンは当然ながら気づいており…
普段は理知的で冷静な才媛であるイリスのそんな姿が見れて面白いと、素知らぬふりをしているのだが。
「リン君、町の関所がこの真下にあるから、そこに降りてもらえるかい?」
「は、はい」
「一応、人目につかないように少し離れた場所で降りてもらえるかな?」
「わ、わかり、ました」
「ありがとう。私は証明書があるから問題ないが、リン君とイリス君は初めてだろう。だから私が身元保証人となって、手続きをするから心配いらないよ」
「!あ、あり、がとう、ご、ござい、ます」
「会頭、ありがとうございます」
リンの生活空間にジャスティン商会の職員を誘導し、引っ越しする旅の最初の店舗となるのは…
サンデル王国の最北端に位置しており、スタトリンに最も近い領地となるキーデン。
かなり外れの地方となる為、伯爵領であり領地こそは広いものの人口は二千数百程と非常に少ない。
が、かつてのスタトリンよりは規模は大きく、領土を運営する領主がいる為行政機能もあり、ここを拠点とする商会も存在している。
町のすぐ北にある峠を越えれば、魔物が生息する辺境地帯となる為、町としてはやや寂れている印象は拭えない。
関所がある為、町には町民もしくはそこに店舗を持つ商会の者としての証明書が必要となり、それがない一見の者などは手数料を払って証明書の発行をしてもらうか、証明書を持つ者に身元保証人となってもらい、一時的に滞在する為の手続きをする必要がある。
「いやいや、むしろ私の方こそリン君にこんな足労をかけているのだからね。だからこの店舗行脚にかかる経費は全て我が商会が負担するよ」
「ぼ、ぼく、その、くらい、なら…」
「リン君、優しい君ならそう言ってくれると思ってたが…これは我が商会そのものを君の庇護下に置いてもらう謝礼の一つだと思ってほしい。君のおかげで、我が商会が災害やよからぬ暴力による被害を受ける可能性が、限りなくゼロになったのだから」
「そうですよリン様!あんなにも素敵で素晴らしい安住の地に、我が商会の職員全員住まわせて頂けるなんて!先に引っ越しを済ませたスタトリン在住の職員は皆、リン様の生活空間の住み心地を大絶賛しておりましたし、あの居住地に会議室や全店舗共通のバックヤードを作ったりと、とても楽しそうに今後の運用まで話し合っておりましたし、護衛部隊に至っては、詰所の本部を作ってスタトリンのみならず、商会の各店舗も守護しようと全員が活気に満ち溢れておりました!これら全て、リン様のおかげです!」
「イリス君の言う通りだよリン君。医療部隊は、あの地に自分達の研究所を作って、より一層医療を発展させようと意気込んでいるし、元寮のスタッフ達も、食堂の料理を向上させようとあの地に住む者達に料理を振る舞って、意見をもらったりしている。何より全員がリン君の所有施設の従業員と懇意になろうとして、積極的に交流を図ろうとしている。ここまで我が商会の職員が一致団結できているのは、紛れもなく君のおかげ…本当に君には、感謝しかないよ」
リンの生活空間に作られた居住地のおかげで、ジャスティン商会全体に一層の一体感と団結力が加わってきている。
護衛部隊に負けじと、医療部隊も研究所を作って医療を発展させていこうとしており、ますます活気に溢れている。
今後はジャスティン商会所有の集合住宅となる元寮のスタッフも、食堂はそのままにして住人が望めば食事を提供するようになっており、その料理をよりよくしようと同じ地に住む同胞達に作って振舞い、意見をもらいながら意欲的に新メニューの開発に取り組もうとしている。
そして、リンの所有施設の従業員達とも積極的に交流を図り、よりよき関係を構築していこうと、誰もが喜びに満ち溢れている。
「ぼ、ぼく、み、皆さん、が、よ、喜んで、く、くれて、す、すっごく、う、嬉しい、です」
「!…うん、そうだな…君はそういう子だった。だからリン君」
「?は、はい?」
「会頭であるこの私を始めとするジャスティン商会が、全力で君を喜ばせる為に、なんだってするからね。よろしく頼むよ?」
「?え、え?」
「当然です!私なんてどれ程リン様に喜びと幸せを頂いていることでしょう!ですから私も、私のすることでリン様に喜んで頂きたくてたまらないんです!」
「?イ、イリス、さん?」
ジャスティン商会の職員が、自分の生活空間で暮らすことをとても喜んでいると聞いて嬉しそうな、幸せそうな笑顔を浮かべるリン。
もう何度も見ているにも関わらず、そんなリンの天使のように可愛らしい笑顔がたまらなくて、ジャスティンは商会の全てを使って、リンを喜ばせる為に何だってすると宣言してしまう。
その宣言に便乗するかのように、イリスは我が子を抱く母親のようにリンを抱きしめてしまう。
「リン様…私…私…リン様が大好きで大好きでたまらないのです…♡…リン様にこうさせて頂くだけで、私…幸せ過ぎておかしくなりそうなんです…♡」
「あ…イ、イリス、さん…は、離して…ぼ、ぼく…」
「こんなにも天使のようなリン様が、人と触れ合うことができないなんて、私…私…耐えられません…リン様がどれ程慕われて、どれ程愛されているのか…私がこうしてお伝えさせて頂きたいのです…♡」
イリスの自己主張激しい胸や、人並み以上に整った美人な顔を押し付けるようにされて、リンはそのコミュ障がどんどん表に現れていく。
しかしイリスは、リンを抱きしめてめちゃくちゃに愛することが幸せ過ぎて、リンを離す素振りすら見せず、ひたすらぎゅうっと抱きしめ続けている。
すでに召喚獣は、キーデンの関所のそばに着陸しており…
リンの指示によってその姿を消している。
だがイリスは、一向にリンを離そうとせず、その溢れんばかりの愛情を伝えたくてただただ抱きしめ続けている。
「あ、あ、う、う、あ、あ、う、あ、ぼ、ぼく、も、もう…」
イリスの深すぎる愛情をそのまま表したかのような抱擁に、リンはその意識を飛ばされそうになってしまう。
「イリス君…そのくらいにしておきたまえ。リン君が気絶してしまうぞ?」
「はあ…リン様…♡…!はっ!」
リンの意識が飛びそうなところで、ようやくジャスティンがイリスを止めてくれた。
イリスはジャスティンの声に我に返り、真っ青な顔をして気絶しそうになっているリンを慌てて離す。
「あ、う、う、あ、う、あ……あ、あれ?…」
「も、申し訳ございませんリン様!つい…ついリン様が愛おし過ぎて…私…♡」
「すまないね、リン君。イリス君はよほど君のことが大好きで大好きでたまらないようでね」
「あ……ぼ、ぼく、だ、だい、じょう、ぶ、で、です、から…」
「!!(ああ…リン様本当にお優しくて…私…私…♡)」
真っ青になっていた顔色が、すぐに元の綺麗な肌色に戻り…
飛びかけていた意識が正常になるリン。
ついついリンに、自分の心から溢れかえってくる程のリンへの愛を伝えたくて、リンを抱きしめてしまっていたイリスが、あわあわとしながらリンに謝罪するものの…
リンはイリスが自分のことが大好きで大好きでたまらない、と言うジャスティンの言葉にその顔を赤らめつつも、自分は大丈夫だと返してくる。
そんなリンが可愛くて優しくて、イリスはますますリンへの愛情が深まってしまう。
「さあ、今からキーデンの中に入るとしよう。手続きは私がするから、イリス君はリン君についていてくれたまえ」
「!承知致しました。さあ、リン様…参りましょう♡」
「は、はい」
キーデンに入る為、ジャスティンとイリスはリンを連れてキーデンの関所へと歩いていく。
イリスはリンの小さな左手を自身の右手で取って、決してはぐれないようにと指を絡めて恋人のようにつないで、リンと共に歩いていく。
イリスにそんな手のつなぎ方をされて、リンは思わずびくりとしてしまうものの…
それでも抵抗らしい抵抗を見せることなく、イリスにそのまま任せている。
リンが自身にその身を任せてくれているのを見て、イリスはふわふわとした雰囲気と、幸せそうな微笑みを浮かべている。
普段は理知的でクールな印象のイリスであるだけに、その笑顔は間違いなく異性を惹き付けるものとなっている。
「む!一度止まって頂きたい!」
「このキーデンに入る為の証明書はお持ちか!?」
キーデンの関所に来ると、武骨な印象の大柄な衛兵二人がリン達に威圧的な声をかけ、足止めする。
どことなくピリピリした雰囲気ではあるものの、それでも必要以上に威圧的にならずに、リン達に応対しようとする。
「これはこれは…いつも守衛お疲れ様」
「「!ジャスティン会頭!」」
そんな衛兵達に、穏やかな笑顔で労いの言葉を贈るジャスティン。
ジャスティンからの労いに、衛兵達はそれまでのピリピリとした雰囲気を緩めて、笑顔で挨拶を返す。
「会頭!ようこそキーデンへお越しくださいました!」
「会頭はいつも我らのような下働きの者も労ってくださって…本当にありがたいです!」
「ははは…何を言うんだい。君達のおかげで、このキーデンは賊や魔物から護られていると言うのに…それを労うのは当然のことだろう?」
「いえいえ!それがそうでもないのですよ!」
「やはり業務である以上、それが当然と思う者の方が多いのです…特に、会頭のような確かな地位をお持ちの方ならなおさら…」
「そんな中でも、会頭は常に我らにも気軽に声をかけて下さり、こうして労いの言葉まで…」
「会頭にとっては、当然と言える何気ないことなのでしょうけど…我らにとっては本当にこの業務にあたる為の活力とまでさせて頂いております!」
日頃から賊や不審者、さらには魔物からキーデンを護る守衛として、その命をかけて業務に携わっているものの…
そのことを理解してもらえることなどまずなく、ただただそれが当然と言う扱いを受けている守衛達。
それが貴族などの確かな立場を持つ者であれば、なおさらその傾向は強く、ひどい時は何もなくても罵声を浴びせることもある程。
そんな中でも、国内有数の商会の会頭であり、その経済面での貢献ゆえに下手な貴族よりも確かな立場を築いているジャスティンは違い…
一介の守衛に過ぎない者達に対しても、とても気さくに話しかけてくれて、しかも毎回必ず労いの言葉をかけてくれる。
たまにその労いを言葉だけでなく、お菓子などの差し入れも含めて表してくれることもある程。
それゆえに、キーデンの守衛達はジャスティンを尊敬しており…
もし叶うなら、ジャスティンの専属の護衛になりたいとまで思っている。
「全く…君達のような者がいてくれるからこそ、この町の安全も保たれていると言うのに…」
「会頭だけです!そうおっしゃって下さるのは!」
「会頭の為でしたら、我らこの身を盾にしてでもお護り致します!」
「ははは…ありがとう。そう言ってもらえて光栄だよ」
「とんでもないです!…!失礼!キーデンに入られるのですよね?」
「ああ。これが私の証明書だよ」
「ありがとうございます!…確認致しました!」
「ありがとう。それとこの二人もなんだが…ここに来るのは初めてで証明書は持っていないんだ。だが私が身元を保証できるから、入れてもらえるかい?」
自身の証明書を提示し、守衛に確認してもらうジャスティン。
守衛も、キーデンに何度も来たことがあるジャスティンの証明書ゆえ確認もすぐに終わる。
そして、初めてキーデンに入ることとなるリンとイリスも、自分が身元保証人になるから入れてほしいと、ジャスティンは守衛達に確認する。
「(!おお…なんという美人…見ているだけで目の保養になる…)」
「(もう一人は…子供?幼いな…十に届くかどうか、くらいか?)」
スタトリンでも評判の美人であるイリスを見て、守衛達はわずかではあるものの、鼻の下が伸びてしまっている。
特に今のイリスは、リンと恋人つなぎができている為普段と違ってとても表情も柔らかく、よりその美人さが強調されているので、守衛達の鼻の下が伸びるのも無理はない、と言う感じになってしまっている。
リンの方は、長い前髪と外套のフードのおかげで顔立ちがはっきりとしないものの、小柄で華奢で、顔の輪郭も丸みがあり幼い印象の為、十に届くかどうかの子供だと思っている。
「女性の方は我が商会の職員で…」
「!どうりで…」
「ジャスティン商会の店舗は美人が多いですからね…それでも、これ程の美人はそうお目にかかれますまい…さすがです、会頭」
「少年の方は我が商会の賓客なのだよ」
「!!は、はあ!!??」
「こ、この少年が、ですか!!??」
「ああ。詳細は話せないが、彼はこう見えて非常に優秀な子でね。我が商会に多大な貢献をしてくれているので、賓客として扱っているのだよ」
「こ、この少年が…」
「彼女は我が商会から、彼の専属秘書として派遣しているのだよ。我が商会は彼に多大なる恩があるからね…非常に多忙な彼の支えとなれるように、我が商会からのお礼も兼ねて、ね」
「!!こ、これ程の美女が、専属秘書…」
「なんと…」
ジャスティンからされたリンの紹介に、守衛達は驚きを隠せない。
見た目十にも満たない程に幼い、みすぼらしい印象の子供が、あの有名なジャスティン商会の賓客。
それも、先に紹介された、ジャスティン商会の職員となる美女が専属秘書として派遣されているなどと聞かされて、なおさら驚いてしまう。
そして、驚きの余り呆けた表情になっている守衛達の元へ、リンがぱたぱたと可愛らしい足音を立てながら近寄って来る。
「あ、あの……」
「?ど、どうかしたのか?」
「どうした?少年?」
急に近寄ってきて声をかけてきたリンに、守衛達は慌てて取り繕うようにしながら、極力柔らかな声で、リンに声を返す。
「い、いつも、しゅ、守衛、の、お、お仕事、お、お疲れ、様、です」
本当に心からそう思って、言ってくれていることが分かる…
そんなリンの労いの言葉に、守衛達は一瞬何を言われたのか分からなくなってしまう。
「え?……」
「い、いつも、こ、この、町、を、護って、く、くれて、ほ、ほんと、に、あ、あり、がとう、ご、ござい、ます」
「!!しょ、少年…」
「あ、ありがとうなあ…おじさん達とても嬉しいよ!!」
「君にそんな風に言ってもらえて、おじさん達もっと頑張れるよ!!」
リンが本当に純粋に、自分達を労ってそんなことを言ってくれているのが心から伝わってくるのか…
守衛達は、そんなリンが可愛くなってついつい、フードに覆われている頭を無造作に撫で始める。
「え、えへへ…お、おじ、さん、た、達、が、よ、喜んで、く、くれて、ぼ、ぼく、う、嬉しい、です」
そして、守衛達が自分の言葉で喜んでくれたのが本当に嬉しくて…
リンは、その顔に可愛らしいにこにことした笑顔を浮かべて喜ぶ。
「!!(な、なんだこの少年…天使か…)」
「!!(こんな…こんなにも心の綺麗な少年が、いるのか…)」
お世辞にもはきはきとはしておらず、まともにしゃべれるのかも怪しい程にたどたどしい口調なのだが…
だからこそ、その裏表のない、リンの純粋な思いやりの心が痛い程に守衛達の心に伝わってくる。
この少年が、町に災いを呼ぶなんてことは、考えられない。
この少年が、誰かを貶めることなんて、考えられない。
この少年は、絶対に誰かを幸せにしてくれる。
この少年は、絶対に誰かが困っていたら、助けてくれる。
守衛達は、自ずとそんな思いが芽生えてきて…
気が付けば、リンのことがとても気に入ってしまうので、あった。
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