第85話 氾濫⑧

「よし!!血管の再接合、骨の整復は完了!!」

「まだ血が足りない!!造血剤追加!!」

「はい!!」

「今度は傷の縫合だ!!」


医療拠点では、ローザを救う為の懸命な治療が続けられている。


「はあ……はあ……」

「リ、リーファちゃん…」

「おい!こんなにも小さな子が、ここまで頑張ってくれているんだ!!」

「俺達も負けてらんねえ!!」

「絶対に、絶対にこの患者、助けるぞ!!」

「おお!!」


治療が始まってすでに一時間が経過している。

リーファは、瀕死のローザを救う為、治療開始からずっと回復魔法を使い続けている。

ローザの体力の補填、そして傷の治療を促進させる為。

治療中、一度たりとも休まず、ひたすら己の幼い身体を酷使して…

しかしそれでも、リーファは回復魔法を使い続ける。


唯一残っている左腕で魔法を発動している為…

薬品の運搬や作業補助としてその場にいるリリムに、魔力回復薬を飲ませてもらって、魔力の枯渇状態を回避しつつ、医療補助の任を果たそうと懸命に回復魔法による治療を続けている。


「(お兄ちゃんが…つないでくれた命……絶対に…絶対に……助けるんだ!!)」


今となっては、自分にとって最も頼りになり…

最愛の兄と言えるリンが、たった一人で魔物の大群と戦う中、それでもつないでくれて、自分達に託してくれた命。


その命を、何が何でも救いたい。

絶対に助けたい。


その強い思いが、リーファの幼い身体を突き動かす。


傷の回復と体力の回復を同時に促進させる為、リーファは傷の回復を促進する魔法と、体力の回復を促進する魔法を二つ同時に発動し、回復を早める為により多量の魔力を駆使して発動している。


その為、通常よりも魔力の消費が激しく…

さらには複数の魔法を同時に、絶妙のバランスで行使している為、精神の疲労がとてつもなく激しくなっている。

これを平均レベルの僧侶や回復術士が実行すれば、十分で魔力枯渇し、意識を失ってしまう程、術者の負担が大きいもの。

それをまだ十歳のリーファが、魔力回復薬の補助があるとはいえ、一時間以上も行使し続けている。

しかも、一度も魔法を途切れさせず、その絶妙なバランスを崩さず、さらには意識すら失わず。


そのリーファの姿は、共に治療を続ける医療部隊の面々の心を…

医師としての本能を震わせるものとなっている。


こんな幼い子供に、そんな健気な姿を見せられて、黙ってなどいられるか!!

もっと気合を入れていくぞ!!


リーファのその姿が、医療部隊の心を一体にしてくれる。

目の前の命を救う。

たった一つのその思いが、みんなを突き動かす。


そうして、全員の心が一体となっての、全身全霊の治療…

傷の縫合が終わり、さらにリーファが回復魔法をかけ続けていたところで――――




「…………う……うう……」




治療を受けていた患者であるローザの意識が戻り…

それを知らせることとなる、弱弱しい声がその場に響く。


「!!やった!!患者が目覚めたぞ!!」

「助かった!!助かったんだ!!」

「やった!!やったぞ!!」


全身全霊の治療が功を奏し、たった一人でこの町の危機に立ち向かってくれている英雄から託された命を救えたことに、医療部隊から歓喜の声があがる。


「はあ……はあ……よ…よか……った……」


実に一時間半もの間、高負荷な回復魔法の行使を続けていたリーファに、安堵と歓喜の表情が浮かぶ。

そして、己の役目を果たせた喜びが、その緊張を緩めてしまい…

そのまま、意識を失うこととなった。


「!!リーファちゃん!!」

「……すう……すう……」

「…ほんとに…ほんとに頑張ってくれたね…リーファちゃん…凄いよ……お姉ちゃん…嬉しい……」


意識を失い、操り糸を失った人形のように崩れ落ちてしまうリーファをリリムが抱き留め、その胸の中に抱きしめる。


自分の腕にすっぽりと納まってしまう程、幼く小さなリーファが、人の命を救う為にここまで自分を酷使して、その任を全うしてくれたその姿。

リリムは、自分の妹も同然の存在であるリーファを、その身体を労わるように抱きしめ、感動に涙を流している。


「……こ……ここ……は……」


リーファと入れ替わるように意識を取り戻したローザが、意識を失う直前までとはまるで違う光景を目の当たりにして、戸惑いの声をあげる。

背中の治療をしていた為、うつぶせのまま、周囲を見渡す。


「ここは、冒険者ギルド スタトリン支部に設営された医療拠点だよ」

「!……ギルドの……中……」

「正直驚いたよ。氾濫した魔物共の討伐の為に、たった一人で最前線で戦ってくれていたリン君が、即死でもおかしくない程の傷を負ったあんたを背負ってここまで戻ってきたのを見た時は」

「!……じゃ……じゃあ……リ……リン……は……」

「リン君は、あんたをここまで届けてくれた後すぐにまた戦場に戻ったよ」

「俺達の町をたった一人で護ってくれる、偉大な英雄がつないでくれた命なんだ」

「死なせるなんてできるはずもねえ……そんなことになったら、俺達はあの英雄に顔向けなんかできねえ、って思ったよ」

「!!……………」

「俺達医療部隊、一丸になって『絶対に助けるぞ!!』って言いながら、必死に治療してたんだ」

「本当に、あんたが助かってよかったよ」


医療部隊から、自分が意識を失った後の事のいきさつを聞かされ、ローザは心がいっぱいになってしまう。

こんな自分を、あの絶望的な状況の中決して見捨てず、本当ならあの時とっくに失われていたはずの命をつないで、ここまで届けてくれたリン。

そのリンからのバトンを受け取り、全身全霊でこんな自分の治療をし、救ってくれた医療部隊の人達。


「!!……そ……その……子……は……」

「ああ、リーファちゃんか」

「この子は本当に大したもんだよ。こんなにもちっちゃい子なのに、大人でも十分持てばいいくらいの高負荷な回復魔法での治療を、ずっと続けてくれてたからな」

「!!……………」

「この子の回復魔法のおかげで、俺らの治療すげえはかどったからなあ」

「魔力回復薬を何本も飲みながら、めっちゃ繊細な魔力制御必死にしながら、全力であんたのこと、助けようとしてたよ」

「こんな子のそんな姿見せられて、俺らすげえ気合入ったよ」

「何が何でも、必ず助ける!!ってな」


そして、こんな自分の為に、その幼く小さい身体を酷使して、懸命に回復魔法をかけ続けてくれたリーファ。


リリムに抱かれて、やり切ったと言う満足そうな表情のまま眠るリーファの姿。


その姿に、ローザはその心からこみ上げてくる感情を抑えることなど、できなかった。

ローザの目から、大粒の涙がぼろぼろと零れ落ちてくる。


こんな自分を救ってくれた全ての存在が、ありがたい。

今、この世に生きていることが、こんなにもありがたいなんて。

こんなにも多くの人達が、こんな自分を救うために全身全霊を尽くしてくれたなんて。


その溢れんばかりの感謝と幸せが、形となって零れ落ちてくるように。


「…ローザ君」

「!!……ギルド…マスター…」


ローザが今にも命を落としてしまう程の重傷でこの医療拠点に運び込まれたことを知らされ、その治療が成功した報を受けてエイレーンが、ローザの前へと姿を現す。


ローザは、これまでどれ程ギルドにも迷惑をかけていたのか…

それを一人で町の外で過ごしていた時に実感した為、とても顔向けができないと言う思いをそのまま表すように、エイレーンから申し訳なさそうに顔を背けてしまう。


「…よかったよ。君が助かってくれて…」

「!!え……」

「君は、リンちゃんが自分の危機も顧みずに救って…つないでくれた命なんだ」

「!!あ、あたい……いえ……は……」

「…私ももう、多くの人を見てきている……今の君が、かつての傲慢な君ではないことくらい、見れば分かるよ」

「!!ギ…ギルド…マスター……」

「過去はもう変えられない……でも、は自分の意思…そして努力でいくらでも変えられる…そうだろ?」

「!!あ……あ……」

「君の冒険者としての登録は残してある。そして、これからはこの町もよりよく発展していく……その為にも、君の力を貸してもらえないかい?」

「……こ……こんな……私……でも……よ……よろしい……の……でしょうか?……」

「言っただろう?君は、なんだって」

「!!あ……ああ……」

「リンちゃんが、そこまでして救ってくれた命なんだ。むしろ私の方がお願いしたいくらいなんだ……いいかい?」


こんなひどい自分を受け入れて、必要としてくれるエイレーン。


その優しい言葉に、ローザはますます心がいっぱいになってしまう。

心からその思いが溢れてくるように、大粒の涙が止めどなく溢れてくる。





「……あ……ありがとう……ありがとう……ございます……」






ローザは、感動と喜びの涙をぼろぼろと零しながら、こんな自分を救ってくれた全ての存在に、感謝の言葉を贈る。

まるで壊れたレコードのように、何度も、何度も。


そんなローザを見て、エイレーンも医療部隊の面々も…

そしてそこにいた、全ての人間がローザの命が助かったことを喜び、歓喜の笑顔を浮かべるので、あった。




――――




「ぐうっ!!!!!!!!!」


リザードマンが繰り出す、その右手に握った剣からの剣戟。

ロックリザードが繰り出す、その頑強な身体から繰り出す突進攻撃。


戦闘部隊のメンバーで最も高レベルの【盾術】を持つゴルドが先頭に立って、真正面からその二匹の攻撃を受ける。


(リム!!リラ!!あの二匹をゴルドさんから引き離してくれ!!)

(うん!!)

(わかった!!)


ロクサルの指示を受けて、二匹の攻撃を受け続けるゴルドを護る為…

リムとリラがその体を伸ばして、リザードマンとロックリザードの身体に吸い付こうとする。


「!!フシュッ!!」

「!!ギャギャッ!!」


本能的にスライムに身体に密着されると、そこから全てを吸いつくされることを理解しているリザードマンとロックリザード。

そうはさせまいと、すかさずその場から退き、体制を整える。


「ふう……助かったよ、ロクサル殿にスライム達…リムと…リラ…だったか」

「……怪我は、ありませんか?」

「大丈夫だ。これでも【盾術】には自信はある方でね」

「……それなら、よかったです」


魔物達の攻撃から逃れることのできたゴルドに、これと言った怪我がないことをロクサルは安堵する。


いざとなればリンがくれた収納の魔導具から、回復薬を取り出して回復させることもできるのだが、何もないに越したことはない。


「……ゴルドさんは、盾役のメンバーを率いて戦闘部隊の盾になってもらっても、いいですか?」

「……ロクサル殿、言ったはずだ。この場では、ロクサル殿が司令塔だと。気にする必要はない!!遠慮なく指示をくれ!!私は必ずその指示を全うしてみせる!!」

「!!では、お願いします!!」

「心得た!!聞いたな!!盾役は私が先頭になるから、共に魔物共の攻撃を防ぐ盾役になってくれ!!」

「了解しました!!」

「俺達が必ず、魔物共の攻撃を防ぎます!!」

「みんなには、指一本触れさせません!!」

「頼もしくて何よりだ!!私が盾役の指揮を任された!!よろしく頼むぞ!!」

「はい!!」


ロクサルからの指示を受けたゴルドが、すかさず盾役をまとめあげ…

中衛、後衛の部隊を護る盾となって、魔物達の前に立ち塞がる。


「補助部隊は前衛、中衛部隊への能力強化バフを!!魔術部隊は盾部隊の後ろから前衛攻撃部隊へ魔法攻撃で援護をお願いします!!」

「了解です!!」

「任されました!!」

「遊撃部隊は自らが被弾しないように、魔物達をかき乱すように前衛の援護を!!」

「任された!!」

「了解!!」


ロクサルは、自らが激しく遊撃として魔物達に攻撃しながらも、冷静に戦況を把握し、的確に司令塔として指示を出していく。


「今です!!」

「助かる!!はあっ!!」


ロクサルの援護攻撃に、リザードマンがその姿勢を崩す。

すぐにロクサルはそこから退き、前衛攻撃部隊の一人が、隙を見せたリザードマンに渾身の一撃を打ち込む。


「フシュルルルルル……」

「!!むう…やはり一筋縄ではいかないな…」


だが、リザードマンはすぐに体制を整え、自身に向けられた攻撃を間一髪で、左腕に装備した盾で防ぐ。


「ぐうううううう!!!!!」

「な、なんて力だ!!!!!」

「グギャギャギャギャ!!!!!!」


一方では、前衛攻撃部隊の屈強な戦士が二人がかりでロックリザードの突進を食い止めているものの…

その剛力に今にも突破されそうになっている。


「魔術部隊!!ロックリザードに魔法攻撃を!!二人共!!魔法攻撃が来るので退避を!!」

「!心得た!」

「頼む!」

「いきます!!」

「当たって!!」


ロクサルがそれを見て、すかさず指示を出す。

その指示に、魔術部隊で【火】属性の魔法を得意とする女性魔法使い達が、すぐさまロックリザードに向かって【火】魔法を放つ。

それと同時に、ロックリザードの突進を防いでいた前衛攻撃部隊の二人が魔法攻撃の射程から退く。


「!!グ、ギャギャギャギャ!!!!!」


ロックリザードも、自身に向けて放たれた魔法攻撃に気づき、すぐに退く。

物理攻撃にはめっぽう強い反面、魔法攻撃には耐性がないのが欠点であるロックリザードは、己の弱点を理解している為、判断は早かった。


「シャアアアアアアアアアア!!!!!」


一進一退の攻防となっている中、その膠着状態を崩そうとヴァイパーメイジが【火】と【風】を組み合わせた、通常よりも高火力な【火】の魔法攻撃を繰り出してくる。


「く!!」

(ロクサルおにいさん!!まかせて!!)

(まかせて!!)

(!?リム!?リラ!?)


ヴァイパーメイジの魔法攻撃が、戦闘部隊本陣に向けて放たれた瞬間、リムとリラが揃って【氷】魔法を発動し、ヴァイパーメイジが放った魔法攻撃に向けてぶつける。


瞬間、空気が弾けるような爆発音が辺りに響き渡るものの…

ヴァイパーメイジの魔法攻撃を相殺することに成功する。


(助かったよ、リム、リラ)

(ぼくたちも、みんなをまもるんだ!!)

(まもるの!!)


称号【勇者リンの従魔】がリムとリラの能力を底上げしている為、ここに来て合成属性である【氷】魔法を使うことができるようになっている。

そのことを本能的に理解していたリムとリラは、すぐにその【氷】魔法でヴァイパーメイジの【火】魔法に対抗することができた。


「フシュルルルルル……」


今度は、リザードマンがその口を閉じて、魔力を集束させていく。

小型の竜種でありながら、息災ブレスを使うことができるリザードマン。

ここで、ついにそれを使うことにした。


「!!リザードマンが息災ブレスを吐いてきます!!前衛で攻撃に参加している人は全員、一時撤退!!息災ブレスに合わせて【水】魔法での相殺準備を!!」

「了解!!」

「【風】魔法が使える人は【水】魔法に合わせて発動し、範囲を広げて威力を高められるようにしてください!!」

「や、やってみます!!」

(リム!!リラ!!)

(わかった!!)

(うちもそうさいする!!)


「フシュアアアアアアアアア!!!!!!!!」


ロクサルから指示が飛び出し、全員がその指示に従って動いていき…

それが完了したタイミングでリザードマンの息災ブレスが放たれる。


戦闘部隊全てを飲み込む程の火炎が放たれたところに、魔術部隊が先にそれ目掛けて【水】魔法を放つ。

そして、それを追うように【風】魔法を放ち、その威力を底上げする。


(ぼくたちも!!)

(うん!!)


さらに、リムとリラが【風】魔法で威力と範囲を底上げした【水】魔法を放ち、リザードマンが放った息災ブレスとぶつかる。




「!!フ、フシュアアアアアアアアア!!!!!!!!」

「ぐ、ううううううっ!!!!!!!!」

「こ、これはっ!!!!!!!!」




水蒸気爆発を連想させる、凄まじい爆発音がその場に轟音として響き渡り…

互いの攻撃が、完全に相殺してなくなってしまう。


「はあ…はあ…」

「な、なんとか相殺できた…」

「で、でももう…」

「魔力が……」


リザードマンの息災ブレス攻撃を相殺することができ、互いに痛み分けの状況まで持っていくことはできたのだが…

今の攻撃でかなりの魔法使いの魔力が底をつきそうになってしまっている。


「魔術部隊はこれを!!」

「!こ、これは魔力回復薬!」

「い、いつの間に…」


だが、魔力が尽きそうな魔法使いの元にロクサルが移動し、すぐにリンの収納空間にある魔力回復薬を手渡していく。


「これはリンが生成してくれた、高品質な魔力回復薬です!!これを飲めば、かなり魔力を回復できるはずです!!」

「わあ…何から何まで…」

「んぐ……んぐ……!わ、これ凄い!」

「ほとんどなくなってた魔力が、めっちゃ回復してる!」


ロクサルが手渡してくれた魔力回復薬を飲んでいく魔法使い達。

それを飲んだだけで、ほとんど底をついていた魔力が大幅に回復し、その効能に驚かさる。


「てか、ロクサルさん…マジですげえ…」

「自分でも、あれだけ激しく動いて前衛の支援してるのに…」

「まるで上から見てるみたいに全体の戦況把握して、きっちり魔物の行動に対応して指示してくれるもんな…」

「しかも防御に徹底してるから、俺らここまで怪我らしい怪我もしてねえし…」

「さすが英雄に認められた、その仲間だな!!」

「ああ!!ロクサルさんが司令塔になってくれるから、安心感がすげえ!!」

「スライム…リムちゃんとリラちゃんへの指示も的確に出してくれて、しかもこっちの行動に合わせてくれてるから、すっごくやりやすいの!」

「やれる!やれるわ!」

「うん!あたし達も頑張って、ここを護り抜きましょう!」


自身でも、その素早さを活かして遊撃としての攻撃支援に激しく動き回っているにも関わらず…

本陣に腰を据えているだけの自分達より全体の戦況を把握して、常にその時その時で最善の指示を出してくれるロクサルの司令能力、そして連携能力に、部隊の面々は驚きを隠せない。

それも、ジャスティン商会の護衛部隊以外のメンバーはロクサルを除くとブロンズ以下のメンバーしかいないにも関わらず、この戦果を出せている。

だからこそ、なおさら驚きを隠せない。


さすがはあの英雄、リンが認めた仲間だと、誰もが思わざるを得ない。


そして、そんな人物が自分達の指揮をしてくれることがとても心強くて…

上位の魔物三体と戦闘中であるにも関わらず、それぞれの心が希望に満ち溢れてくる。

絶対に生き残る。

生き残れる。


そんな確信を、持ててしまう。


「……見事だ、ロクサル殿……我が部隊にほしいくらいの逸材だよ……」


これ程の戦果をあげることができているにも関わらず、それでも微塵も油断せず…

常に最善を求めて思考し、動き続けるロクサルに、ゴルドも心から称賛する。


そして、この戦いを切り抜けることができたならば、ロクサルを自身の部隊にスカウトしようと、考え出すのであった。

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