第13話 伊吹は冒険者ギルドに行きました
アヤノがこの国のことを教えてくれた。アルベル国は、魔境と隣り合わせの国で、最近モンスターの発生件数が増しており、そのため、諸国連合からの支援である魔動兵器の搬入を行っている道中であったこと、騎士団を襲ったモンスターが群れとして統率がとれていたように、モンスターを操ることができる“魔人”が復活している可能性が高いこと、アルベル国は魔動兵器の強化や、騎士団の増員と共に、諸国連合の協賛金によるハイランカーの冒険者を招いている最中であること、私の腕前なら、また騎士団を助けた実績含め、アルベル国は喜んで私を向かい入れることを話してくれた。
街を囲う壁と大きな城門が見えてきた。入門手続きはアヤノの口利きで直ぐに仮の身分証明書を出してくれた。冒険者になった場合はギルドでギルドカードと交換すればよいようだ。アヤノは冒険者ギルドの場所を教え、
『シンジって奴がいる。そいつに私の名前とこれを渡してくれ。その手紙に大体のことは書いておいた。イブキには今回の討伐モンスターの分配金を渡さなければならない。夕刻7時にギルドで会えるか、一緒に飯を食おう』
今度は小さな声で、
『なぜか、イブキとは縁を感じる。いろいろ話ももっとしたい。宿を探すのもいいが、高くて女にとってよい環境でもない。ここにいる間は私の家に招きたいとも考えている、それと明日は休暇日だ。この街を案内したいとも思っている、イブキ、いいか』
すっかり意気投合したアヤノ、最後はなぜかウルウルした目で見つめられ、夜会うことを約束し別れた。騎士団の皆とも一人ずつハグして別れた。いい人たちだ。
剣と盾の交差するシンボルを掲げる施設、冒険者ギルドは直ぐに見つかった。中に入ると酒場とカウンターが見える。一癖も二癖もありそうな野郎共や姉御共がたむろする。
可愛い女の子がいるカウンターでアヤノの紹介であること、シンジを呼び出して欲しいことを伝えた。暫くして、奥から目つきの鋭い男が出てきた。その歩みには隙が無い。アヤノと似た重心の取り方をしている。戦えば相当やることがわかる。以前の私だったら直ぐに怖くて逃げ出すタイプだ。
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