第9話 伊吹は寄生女にレベルアップしました
『お前が今考えていたことは、お前の妄想は、全部違う』
なんで、これスキル?人の心を読むスキル?れ、例の異世界転移?剣と魔法とモンスターの国の不思議な能力?ということは彼は俺サイキョーって勇者様で私がヒロイン?に異世界転生?いや転移?どっちゃでもいいわ、リアルのブラックな環境から私を救ってくれる異世界、俺最強物語で最強のヒーローに護られるヒロイン?ってことは、この人と今から冒険に旅立つのよね。魔王倒すんだっけ。そうだ!レベルがなんちゃら、称号がなんちゃら、ドラゴン倒したんだ!確定!確定だわ、このお方、勇者だわ、勇者さま、さあ、わたしは多分どこぞの天然系王女様で・・・・・
『それも違う』
『イブキ、今は説明してもわからないだろうから、何も言わず、俺についてこい』
きゃー、ついて来いって、行きます、ついていきます。
なんか私の名前を聞いてから、なんか目が優しくなった。
ポッ!惚れたのか、私惚れたわ!これが例の運命の赤い・・・・
彼の表情が変わる。彼はいつの間にか、両手に黒い靄を纏った大きな銃?を持って、洞窟の奥と後ろ連射した。銃からは黒や白い光を纏った弾が次々に発射されていた。それぞれの奥から悲鳴が響き渡る。
彼が銃をどこぞに仕舞った後、影から何本もの触手が洞窟の奥に伸びて、怪物を運んでき、翳した手に入っていった。
『イブキ、行くぞ!』
いや!え!何?お姫様だっこされた!そんなに強く抱きしめないで、速い、もっとゆっくり、
『イブキ、大丈夫か、行けるか、まずはここから出るぞ』
まあ、私を気遣って、そんな、大丈夫よ!私真っ赤になっている。ジェットコースターラブよ!ブレッドトレインラブよって、あそこ、前、前見て、愛しの人、あ、あそこ、怪獣よ!怪獣いるわ、うわ、彼の影からまた触手が、うわ、触手が怪獣喰っている、キモ、怪獣吸い込んじゃった。
『イブキはレベル55から56にレベルが上がりました』
あ、これ知っているわ、勇者さまに抱っこされたら経験値が共有されるってやつ、異世界ヒロインってお得!
『イブキは“寄生虫”の称号から“寄生女”の称号にレベルアップしました』
なんじゃ、寄生女って、ちゃう。。ことないか
彼は大小さまざまな怪獣を倒しに倒して洞窟から出た。私を降ろし、降ろしちゃうの!
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