第2章 伊吹は残業終電帰りにトラックに跳ねられた

第7話 伊吹はトラックに跳ねられました


 深夜、いつものサービス残業、いつもの終電を降り帰途に着く。普段人通りが少ない横断歩道を、とぼとぼ歩いていると轟音が近づいて来た。


 目をむけると一台のトラック、しかも寝ている運転手付きのでっかいトラックが私に向かって来ていた。


 やばい!けど竦んで足が、足が動かない。体に衝撃が走ると同時に天高く舞い上がる私。


 あれ!隣で私と同じように飛んでいる男?がいた。一瞬彼と目が合ったような気がした。

 ゆっくり進む時間のなか、私は地面に打ち付けられる前に意識を失った。


 うーん、どこだっけ

 うわっ、たしかトラックにはねられて・・・・・・


 意識が戻り、周りを見ると鏡が目の前にあった。

 あれ?私?なの?

 そこに映っていたのは白銀髪の美少女、これ私??

 鏡が動いた・・・。見上げるとそれは鏡のようにキラキラ光るロボット?いやドラゴン?


 ぎゃー!!!逃げなきゃ、なんでトラックの次はドラゴンなの!私なんかした?


 帰る間際に課長に呼ばれ、みんなの前で、いつでもいいって言ってた集計結果のレポート提出を求められ、なんでやっていないって怒鳴られ、言い返せずに明日の朝までって言わされて、身も心も灰色に染まって、いつもの終電コースをいつも通り辿っただけじゃない!


 足がすくんで動けない、けど目の前の鏡のようなものをポコポコたたいてみたが、金属なの?冷たくて、硬くて、手が痛い。


“” lY2k,aद3tमuc1uेGE7J8म्कfESnाLE iमJ4CiVrJUैcWIHYqn, !!!!“”


 ドラゴンが苦しそうに吠えた!やったー!私の攻撃が効いてる?ドラゴンちゃんが一人で暴れて、ゆっくり倒れた。。。


『イブキはレベル1から2にレベルが上がりました』

『イブキはレベル2から3にレベルが上がりました』

『イブキはレベル3から4にレベルが上がりました』

『イブキはレベル4から5にレベルが上がりました』

『イブキはレベル5から6にレベルが上がりました』

『イブキはレベル6から7にレベルが上がりました』

『イブキはレベル7から8にレベルが上がりました』

『イブキはレベル8から9にレベルが上がりました』

『イブキはレベル9から10にレベルが上がりました』

『イブキはレベル10から11にレベルが上がりました』

・・・・・・・・・・・・・。


うっさいわ!なんなのこれ、なにこの機械音?頭が痛い。誰これ、何回訳もわかんないこと言ってんの!


・・・・・・・

『イブキはレベル54から55にレベルが上がりました』

『イブキは“メタルモンスタースレーヤー”の称号を手に入れました』

『イブキは“ドラゴンスレーヤー”の称号を手に入れました』


 なに、スレーヤー?なんかかっこいい!

 やっぱり私の猫パンチで倒しての?

 ここはゲームの世界?

 実は私は有名な戦士の家系? 

 いやお父さんもお母さんも普通のひとだったな・・・・。


『イブキは“果報は寝て待つ”の称号を手に入れました』

『イブキは“他力本願”の称号を手に入れました』

『イブキは“寄生虫”の称号を手に入れました』

 なに?なに?私、機械にディスられてる??

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