第16話 あゆむの一言
星蘭は、祐二には悪いと思ったが、風斗に連絡を入れてみた。
星蘭は久しぶりの胸の高鳴りを
抑えきれなかった。
ドキドキ……
プルルル。プルルル。プッ。
『もしもし……。』
『あっ!!あのっ!!風斗君!』
『…………。』
『何?お前?』
『えっ…………あのっ!!?』
『お前さぁ。誰かと付き合ってんだろ?』
『…………ご、ゴメンね』
『俺がお前に逢いたくて
わざわざ上京したっつーのに。』
『何で?連絡してくんなかったの?』
『えと…………あのっあのねっ?!』
『もう、良いよ。どうせ俺の事なんて遊びだったんだろ?』
風斗の口元には、不敵な笑みが
浮かんでいた。
星蘭は、あまりの風斗の言葉使いの荒さに驚きを隠せなかった。
ただ、ただ星蘭は謝るしか出来なかった。
風斗は話題を変える。
『星蘭?来れるだろ?』
『え?』
『俺に逢いに、来れるだろ?』
星蘭は悩んだ。電話をかけるべきではなかったのか?と思ってしまった。やはり私を利用してる?…………。
星蘭は、風斗との時間を最後に
しようと思い至った。
後々、この選択ミスが星蘭を
地獄の淵に落とされることになるのだが。
星蘭は話を続ける。
『今夜、伺うわ!』
『オッケー、姫!!分かったよ!』
『じゃあね。』
『プツッ……ツー、ツー、』
星蘭は、緊張から解かれると
深くため息を吐いた。
『はぁーーー。変わったな?風斗君……。』
変わったのは星蘭の方である。
星蘭は、いつしか……祐二に
ホンモノの愛を与えられて
幸せを掴んでいた事を再確認した。
(これで最後よ?星蘭!)
と??!その時…………部屋の
ベルが鳴ったのだ。
星蘭は、ドアを開けると??!
そこには、あゆむが立っていた!
『ど、どうしたの?あゆむちゃん??』
あゆむは、星蘭に向けて一言伝えた。その顔には、厳しい眼差しがあった。
『ねぇ?あんた、ちょっと……
調子づいてない??!』
『へ?あ、あゆむちゃん??』
『あんた、ホスト狂いなんだって??』
『ーーーーー??!!』
『事務所で騒いでるわよ!』
『へ?何で……。わたしっ。』
『あんたにストーカーされて困ってる。って……風斗って奴が、慰謝料請求しに来てんのよ?!』
『??!!!!』
星蘭は、思った。
【祐二くんにバレません様に…………。】
と、、、、。
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