第11話 風斗からのお誘い
星蘭は、お風呂タイムが終わると
ドライヤーを髪にかけて、とても良い香りのする
ヘアオイルを付けて眠りにつこうとしたのだが。
何となくスマホを覗く。
と……そこには風斗からの着信が入っていた。
星蘭は、途端に胸が踊る。
『ふっ、風斗君だぁ。』
星蘭は、思わず掛け直すと
向こう側からは、賑やかな音楽と共に風斗の寂しそうな声が聞こえた。
『セイラ?元気?何してるの。』
『あ、あの……お風呂入ってた。』
『モデル事務所に着いたの?』
『うっ……うんっ。あのっ。』
風斗は爪を磨きながらも答える。
『どうしたの?セイラ……。』
『わたしっ、風斗君に逢いたい!』
風斗は、ニヤリと笑う。
『今から来るか?セイラ。俺も逢いたいよ?』
星蘭の胸は高鳴り、キューンとする。風斗は待ってくれている。
だが星蘭は事情を説明する。
車で1時間ほどの場所に居ることと、今自分は、とても大切な時期にいることを……。
風斗からの返事はこうだった。
『俺のこと……好きじゃないんだね?分かった。セイラ……頑張って。』
とその時……星蘭は焦る。
『まっ待って!!』
『セイラ……さよなら。』
『待って!!風斗君?!
わたしっ、今から行くわ!!だからっ、さよなら。なんて……
言わないで!!!』
風斗はしばらくの間をあけて、答えた。
『待ってるから。』
星蘭は、急いで出掛ける仕度を始めると、タクシー会社に電話を
かけた。
星蘭は、風斗に利用されていることすら考えもしなかった。
風斗に散々、振り回され
貢がされる事態になるとは
この時、夢にも思わなかった。
【風斗君!!待ってて!!】
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