第7話 初めての店内で、

ボックス席に案内されて、セイラは大人しく座ると……風斗は

いきなり?


ジッ…………とセイラの顔を見つめ始めた。


セイラは恥ずかしくなり、

『な……何かな?風斗君……』


と言って、うつむいてしまったが

今日、風斗に

東京へ行くことを伝えなくては!

と……セイラはどこか落ち着かない。



ソワソワしていると、風斗は

セイラのアゴを、

自分の方向に向ける。



セイラは風斗のなすがままで

あった。緊張が続く中、セイラは

ノドが乾いたので、


『飲み物、注文します。』と……

風斗に伝える。


風斗は、にこやかに

『姫は、ソフトドリンクが良い?

シャンパンで

俺との時間を買わない??』


風斗は、セイラにそう耳元で

囁いた。

セイラはまるで、夢の中に居る

かの様な気持ちの高ぶりに身を任せた。



『じゃ、じゃあシャンパンで』


と……セイラが伝えると、店内中のホストが集まりだして、


シャンパンタワーが出てきた!



余りの光景に、セイラはとしていた。



シャンパンタワーが始まる。

皆が喜んでいる。と風斗の方を見ても、ジッ……とセイラの顔を


見つめてくる。風斗はセイラに伝えた。


セイラの手を取り、指を絡ませて



『ありがとう。俺のために』


『2人の未来に祝福しよ?』


セイラは、すでに風斗の事を

として錯覚し始めていた。



『セイラ❤ちょっと……待ってて』

甘い声と、誘惑の香りでセイラはノックアウト状態だった。



一通りシャンパンタワーが

終わると、ホスト達はセイラの前から消えたのだ。



皆が接客に、いそしむ。


セイラはたまらなく寂しくなり、

また注文する。


今度はというモノを好奇心から注文してみると



キャバ嬢の隣に居た風斗が、またセイラの隣に座った。



風斗はセイラを見つめながらも


俺なら。お前の為にガマンするから。でも、嬉しいよ。ありがとう』


また、ドンペリを乾杯する為に

隣に居る、風斗の手を取り


大事な用件をセイラは伝えた。




『ふ、風斗君……。わたしっ、

明日には、東京へ行っちゃうの!』


風斗は首をかしげながら、


『……うん。で?俺の事を、置いていくの?』




『わたしっ!!風斗君の



『東京へ向かって、何かしに行くの??』



セイラの顔は、すでに真っ赤だった。

アルコールも少しだけ手伝って

いつの間にか。



風斗の胸に、顔を埋めていた。

セイラは勇気を出し……



だから、風斗君……に逢いたくて!!最後だから。わたしっ!!』


その途端、風斗はセイラの髪を触り頭を撫でた。



……せっかく出逢えたのに。置いていくの?』



風斗の頭の中では、すでに計算が始まっていた。



風斗の目が、と光る。



『俺と、そのモデルの仕事と、

どっちを選ぶ?』


『わ、わたしっ!!あの。』




『ご、ごめんなさい風斗君!!』



セイラは、ふらつきながら、も

店外へと向かって行った!



風斗君……。風斗君……!!



風斗の指名料プラス、ドンペリに

シャンパンタワー……



その他もろもろで

会計は……120000円だった。




セイラは、後悔していなかった。



『風斗君のお給料になるなら。私は、モデルを頑張れるから。』




店外へ出たセイラは、夢から覚めた様な感覚だったが、



不思議と、幸せだった。

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