第6話 その日の夜に
女性は駐車場に止めてあった真っ赤なポルシェでセイラの自宅まで送り届けた。
セイラは、初めての外車にドキドキしていた。
車を降りるとセイラは頭を下げた。
『あ、あのっ、ありがとうございます。楽しかったです。』
ペコリと……可愛らしくセイラは
途端に愛嬌たっぷりな顔を見せた。
『明後日には東京へ向かうわよ?
心残りがあるなら。行動しなさい?』
セイラを見透かす様な言葉に、
セイラは勇気が出てきた。
『は、はいっ!!そうします!』
女性はエンジンをふかすと、何事もなかったかの様に去って行った。
セイラの鼓動は止まらなかった。
『わたしっ、風斗君に』
『逢いに行く!!』
セイラは、急いで自宅へ戻り、
シャワーを浴びて、メイクやら
ヘアアレンジやらを
全て元通りにしたのだ。
(私は私をプロデュースしてみるわ!!)
メイク道具を手に取り、ヘアアレンジも、全て自分で行ってみる。
かなり手こずったが。
初めてにしては、まぁまぁな
仕上がりになった。
セイラは、財布を取り出すと……
たくさんのお札を入れた。
『風斗君!!今から行くからね!』
タクシーを止めて、セイラは
ホストクラブの場所を伝えると
運転手は、チラリ。とセイラを
見つめた。
『お客さん、どうかしたの??』
『いえ。ちょっと……』
セイラは、それ以上話はしなかった。タクシーがホストクラブの
近くに着くと、
セイラは万札を出し……
『運転手さん。ありがとう。
おつりは、要らないからッッ!!』
セイラは慌てて、ホストクラブへ向かって行った。
『あ~ぁ、また純情な子が泣かされるねぇ。』
ハンドルを切って、素知らぬ顔をした運転手は、
夜のとばりに消えていった。
その頃、セイラは
風斗との時間を過ごすために、
声かけの店員さんに勇気を出し
風斗を指名したい旨を伝えると……。
風斗は、何となく先程の予感した人だな?と……思い
ツカツカと……セイラを出迎える為に、入り口まで来た。
『ご指名ありがとうございます。
今宵は、僕といかが過ごしますか?』
丁寧に挨拶する風斗を間近で見たセイラは、やっぱり素敵すぎる!!
と……顔を赤らめた。
風斗が顔を上げると、セイラを
一目見て、
恰好の餌食ちゃん❤いらっしゃい。
と……内心思ったのだった。
セイラは、目の前に現れた
白馬の王子様を見て、さらに緊張していた。
風斗がセイラをエスコートすると、
セイラの可愛らしさに、
店内に居る、キャバ嬢が嫉妬心をむき出しにしてきた。
風斗は思う……。
徹底的に、絞り取るか?
と……
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