第5話 最初の一歩

セイラは、頭の中にの文字が浮かび上がり、

心の何処かで、まだ信じられなかった。


(私が……モデル??!そんなの

   )


……

それに…………


うつむいて、パフェのスプーンを握りしめるセイラの気持ちを

察したのか??


女性は、話を続ける……。



『あなた自身、あなたのを知らないだけよ?私は、

あなたの内側に感じたわ。』



セイラは、顔を上げると

目を真ん丸く見開いていた。


女性が、セイラを説得し続ける。



『セイラさん?あなたは

  良いのかしら?』



セイラは首を左右に、ぶんぶんと振るった。



女性は、たたみかける。


イケるわ。

私を助けてちょうだい。ね?』



セイラは、その言葉を聞くと

少しだけ自分の中で

変わったのだった。



女性はまたセイラを促した。


『ふふふ。パフェが溶けるわよ?食べなさい。』



『は、はい。いただきます。』


女性はセイラのチョコパフェを

食べる仕草も、見届けると


何かに確信を持った様子だった。




セイラは、パフェを食べ終えると

笑顔に変わっていた。


そして『ご馳走になりました!

とっても、美味しくて幸せです!

それから、よろしくお願いします!』


セイラは手に力を入れて、

ぎゅっと握りしめると……



『私……好きな人が居るんです!モデルになって、仲良くなりたいんです!』

セイラの顔は、その途端に……


ぱぁっと赤くなった。



女性は、クスリっと笑って。


『そうね。恋することは、構わないわよ。ただ、逢うのは難しいかもね?』



セイラは目をパチクリとさせて

何故か、ニコニコし始めた。



そしてこう言ったのだった。

『私……ずっと、付き合った事が無かったので、今はとっても、

楽しみです!』



女性はホットのカップに手を添えると……セイラを勇気づけた。



『私達は……良い

なれるわ。頑張りましょ。セイラさん。』


女性はセイラの手を取り、

2人はこうして新しい門出を

祝うかの様に、固い握手を交わ

したのだった。




良いことも、悪いことも……


セイラは生涯、この日を忘れない様にしなきゃ。



と……自分に誓ったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る