4月12日 12時1分

1年1組教室内にて。隣の席の美少女と。

「高宮さん、お願いがあります」

「うん、来ると思ったよー。私も大橋ハーレムの一員にしてくれるんだー?」

「な、何言ってるんですか。状況的に僕が高宮ハーレムの一員ですよ」

「私の友達にいっぱい手を出してるのにー?」

「ひ、人聞きの悪いこと言わないでください!」

「ついに私も毒牙にかかっちゃうんだー?」

「違います! 高宮さんの場合はただのお願いです!」

「他の人は?」

「割りと…強引にといいますか…」

「けーだーもーのー!」

「か、勘弁してください!!」

「いいよ、勘弁してあげる。その代わりジュースおごって? これからお昼なの」

「…はい」

閑話休題。

「大楠さんから聞きましたが…、放課後はお忙しいんですよね?」

「そうだよー。だから断るつもりでいるんだー。幽霊部員化とかなりたくないし。だけどどんな口説き文句を考えてきたのかは、すっごく興味ある」

「幽霊部員というのは決まった時間に部室に来れないってことを意味しますか?」

「…おっと…思いがけないカウンターだったな…。そうだね。やるならみんなでワイワイ活動したいなー。それが文芸系だったら…みんなで文集作ってー、読書感想会とかやったりしてー。あ、お芝居の台本作って演劇部にやらせるとか?」

「文芸活動に理解があるんですね?」

「まーねー。うん、そういうのだったらいいけどなー。ただ夕方は時間がなー」

「夜にリモートで参加してください」

「…おー」

「大楠さんは幽霊部員になるって言ってましたけど、夜だったら大楠さんも空いてたりするんじゃないかなって。部室でないとできない作業があるときは夕方やりますが、夜にライブ配信にして会員が好きなタイミングで参加できるようにしたら、ちゃんと活動してるでしょ?」

「それ、時間外活動とかになるんじゃない?」

「ちゃんと書類出せば通るらしいです。たぶん頻度はそこまで多くないですよ。文芸活動は個人プレイがメインですし。ミーティングと共同作業のときぐらいじゃないですか?」

「スマホ参加でもいいの?」

「入浴しながらどうぞ」

「なかなか魅力的なプラン持ってきたね…」

「”みんなでワイワイ”は発起人の希望でもあります。もちろん夕方の活動も捨ててないので勧誘期間終了後も会員を集めたいとは思っています。昼グループと夜グループに分けても面白そうですね」

「うーーーーん…。ちょっと考えさせて…」

「わかりました。よろしくお願いします」

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