4月7日 9時41分

「新入生代表、高宮優佳里!」

「はい!」

スピーカーで増幅されたマイク音声に負けないくらい、凛々しく体育館に響き渡った声。それは、入学式の直前まで僕とおしゃべりをしていた、同じクラスの隣の席の美少女の声でした。

彼女は席を立つときにチラっと僕の方を見て、一瞬だけ口角を上げ、そのまま翻って壇上に向かっていきました。

“ちゃんと覚えた?”

いやいや、忘れられないでしょう?

ラブコメだってこんなクサいシチュエーション、そうそう使ったりしませんって。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る