第53話 熾烈な戦い

「ならこれは?」


 魔王は、


「ホレグ」


 と唱えてユーリアに黒魔法攻撃をするも、


「アカー」


 で、ユーリアは黒魔法攻撃を消滅させる。


 そしてユーリアは魔王の凍っている方の腕を掴み「ソーレ」と唱えて熱で溶かす。


「敵に情けをかけるとは、お人好しだな」


「そうか?」


 そしてすぐにユーリアは掴んだままで呪文を唱える。


「ソーレ・ミラッジョ」と高熱で魔王の腕を焦がす。


「ぐっ……」


 呻く魔王から距離を取るユーリア。


「治して攻撃する……やはりお前はこちら側だ」


「わたしは優しくないからな」


 笑う魔王に冷たく言い放つユーリア。


「次はこちらから行かせてもらう。オルフェンニュクス」


 黒魔法を唱え、ユーリアを足止めする。


「アカー」でユーリアが闇夜を解くと、目の前には魔王がいた。


「セネ・アスピダ」


「シャマリ」


 2人同時に唱えて、魔王は茨で攻撃、ユーリアは守りを固めた。


「アカー」で茨を消し去りユーリアは、マジカルステッキで攻撃を開始する。ユーリアの重い一撃一撃は魔王の身を傷つけていく。


 更に、


「ラアザゼル・フォティア」


「コオ・シェレグ」


「アスピダ・アスター」


 ユーリアは次々と、連続黒魔法攻撃を魔王にする。すかさず魔王は「アカー」で消し去り、ユーリアの腹に一撃を加える。


「ぐぅっ……」


 しかしユーリアは退くことはなく、続けざまステッキと魔法攻撃をする。魔王も攻撃を加え、互いに傷ついていく。そして互いに息を切らせつつ、一端距離を取った2人。2人ともボロボロの身体で肩で息をする。


「互いにあと少しのようだな」


「そうだな」


「ここは、魔力の力比べといこうではないか?」


「いいだろう」


 会話の中、魔王が提案した決着の付け方に了承するユーリア。


「互いに黒魔法、アスピダ・アスターで同時打ちだ」


 そう言った魔王にユーリアは頷いて、2人構えを取る。


「行くぞ、ユーリア」


「ああ」


「アスピダ・アスター」


「アスピダ・アスター」


 大きく煌めく闇の星々が、2人間から放出され続け、ぶつかり合う。拮抗する力と力。


「ハアアァーっ!」


 魔王が更に魔力を込める。


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