第52話 ユーリアVS魔王
魔王はやっと手放し、ショコラはその場に倒れた。立ち上がろうとするショコラに、魔王は唱える。
「ホレグ」
「ぐあっ!」
黒魔法でショコラの身体を攻撃する魔王。辺りには血が飛び散る。うづくまり、身体を震わせるショコラに魔王が慈悲をかける。
「ここまでか、ショコラよ。いま楽に……」
言葉を最後まで告げる前に、魔王はぶっ飛ばされた。ユーリアの本気のキックによって。
「……アレキさん、やり過ぎだ」
本来の16才の姿に戻り、瞳は魔王が飛んだ先を見つめる。
「お嬢様、私はまだ……」
立ち上がろうとするショコラに、ユーリアは言う。
「身体はまだ持つか?」
「ええ、大丈夫です……」
「すぐに終わらせる」
彼女にしては珍しく、微笑んでみせる。
「そんなに怒らなくても良いだろう、ユーリアよ。戦いが終わったのち、回復魔法で全回復させるのだから。例え死んでも蘇生魔法があるだろう?」
埃を払いのけながら、魔王は立ち上がる。
「痛みや死を軽んじる、アレキさんにはわからない」
ユーリアはロザリオ型マジカルステッキを右手に持ち話す。
「ああ、わからない。だが、お前たちは大切なモノを傷つけられると、全力で来るのだな。まあ、その方が楽しい」
魔王は笑う。
「ショコラの傷が心配だ。早く始めよう」
ユーリアは魔王に促す。
「そうだな、始めよう」
魔王もユーリアの言葉に頷いて、戦闘が開始された。
「トルナード」
ユーリアは魔王とある程度の距離を詰めてから、竜巻の魔法を唱える。大量の竜巻がユーリアと魔王、2人を囲う。
「我がショコラを攻撃するとでも思っておるのか?」
魔王の問いに、
「わたしたちの放つ魔法が、ショコラを巻き込むのを防ぐためだ」
ユーリアは答えた。
「そんなにショコラが大事か?」
「ああ、大事だ。だからさっさと終わらせたい」
「良かろう」
すぐに魔王は「セネ・アスピダ」と唱えて召喚した大量の茨でユーリアを襲う。それをユーリアはマジカルステッキで一振りなぎ払っただけで、消滅させ、魔王に向かい走る。
「さすが最強の魔法少女」
魔王に近づき、マジカルステッキで攻撃するユーリアに、凍っていない方の腕で受け止めながら話す魔王。
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