第51話 ショコラVS魔王
「ショコラよ、さあ我と戦おうではないか」
魔王は両手を広げ、声高らかに告げた。
「魔王様と戦うのは久しぶりですね。気を引き締めなくては」
「そう堅苦しくなるな。さあ戦うぞ」
2人互いに笑い合いつつも、戦闘態勢となる。
「ショコラ、お前の力、見せてもらうぞ」
戦いの火蓋を切ったのは魔王だった。
無詠唱による黒魔法攻撃を放つ。
「マウェッタ・アスター」
と、ショコラも魔王と同じ黒魔法で応戦する。
ふたつの巨大な煌めく闇の星々が、ぶつかり合い弾け飛んだ。
「オルフェンニュクス」
と、続けざま闇夜の呪縛呪文を唱え、魔王を拘束するショコラ。
すぐさま拘束された魔王の背後を取り、ショコラは攻撃を繰り出す。
「甘い」
ショコラの攻撃の腕を後ろ手で掴み、掴んだ左手で魔王は、前へと彼を引っ張る。
「がはっ!」
そしてショコラの腹を右手で貫いた。すぐにショコラは掴まれた左手を振り払い、貫かれた腹が抉れるのも構わずに、魔王と距離を取る。
魔王の右手が腹から外れ、そこから血が噴き出す。腹を押さえて膝をつくショコラ。
「治してやろうか?」
と、手を差し出す魔王。
「いいえ、結構です」
脂汗を流しながら、ショコラは答える。
「ショコラ」
ユーリアがショコラを呼ぶ。
「大丈夫ですよ、お嬢様」
ショコラは立ち上がり、態勢を整える。そしてすぐに「ラアザゼル・フォティア」と唱えてら魔王の周りを地獄の炎で囲う。
とどめに「マウェッタ・トゥレラ」で即死魔法を放つ。爆発が起こる中、ショコラが一息吐いたのもつかの間だった。
「平和ボケしたか? ショコラよ」
とショコラの後ろで魔王の声がした。ショコラがハッとした時には魔王に首を掴まれ、エスイナジーで体力を奪われていた。
「オルフェン、ニュクス……っ!」
すぐさま黒魔法で魔王の身体を縛ろうとするも「アカー」魔王の黒魔法で闇夜は掻き消され、体力を取られ続ける。
「シャマリ」
ショコラは唱えて身体を守り抵抗をする。そして後ろ手で魔王の左手の腕を掴み「コオ・シェレグ」で凍結させる。
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