第48話 転送先には

 ユーリアが転送先に着くと、ショコラがいた。


「お嬢様。他の魔法少女たちは?」


 尋ねるショコラに、


「悪魔アモンと戦っていてな。ショコラの方はどうした? アザリがいないみたいだが……」


 ユーリアが答えながらキョロキョロした。「ああ」とまるで興味がないようにショコラは答える。


「あの男は、悪魔ベルフェゴールのペットである、スフィンクスの謎解きをしています」


「そうか、スフィンクスはなぞなぞを出すのが好きだからな。しばらくは、放してくれないだろう」


 納得のいった表情で、ユーリアは頷いた。


「まあそれで、私だけこちらに辿り着いたのです。暫く待って、お嬢様たちが来ないようなら、先に魔王様と相対しようと考えていた所です」


 ユーリアにショコラは、丁寧に事の次第を伝えた。


「なら、2人でやるしかないな」


「そのようです」


 ユーリアの言葉に、ショコラは頷く。


 ユーリアたちの目の前には、巨大な扉がある。扉には逃げ惑う人々と、それを追いかける悪魔のレリーフが彫り込まれていた。


「では行くか」


「仰せのままに」


 ユーリアとショコラ、2人で扉を開いた。


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