第40話 勝者は……

 ミザデレールもエミュルを信頼し、すぐに『痺れ粉』をメフィストフェレスに投げる。メフィストフェレスは『痺れ粉』の効果で動けなくなった。そして、毒の効果は消えてしまった。


「ミザデレール、煙幕の粉ですわ」


 ミザデレールが『煙幕の粉』を投げると、メフィストフェレスは「真っ暗ですねぇ」と呟き、周りが見えなくなる。


 ミザデレール残りの体力、65。

 メフィストフェレス残りの体力、63。


『メフィストフェレスの攻撃。空振り』


『メフィストフェレスの攻撃。空振り』


 そして、メフィストフェレスにかけたトキハヤの薬の効果も切れた。


「次は逃げるんですわ」


「うんわかった」


 エミュルの指示に従い、ミザデレールは逃げてメフィストフェレスと距離を取る。そしてまた魔物を当てた。


『メフィストフェレスの残りの体力、43』


「意外にやりますねぇ」


 メフィストフェレスは笑い『痺れ粉』から解放されて、また動き出した。

『煙幕の粉』でやられていても、ミザデレールが魔物を投げた方向から判断をし、近づいた。


「ミザデレール、あなたのマジカルステッキを伸ばし、逃げるんですわ」 


 エミュルの提案に、今度はミザデレールは拒否をする。


『残り時間、7分』


「わりぃ、もう残り時間が少ないんだ。それに……」


────逃げてばっかは、性に合わねぇ。


「ミザデレール!」


 エミュルの叫びを無視して、メフィストフェレスと戦闘に入る。


「霧の粉っ!」


 ミザデレールは『霧の粉』で、辺りに霧を発生させた。


「私の番ですね」


『メフィストフェレスの渾身の攻撃。ダメージ45』


「いっつ……」


『ミザデレール様、残りの体力、20』


「次はこれだっ!」


 ミザデレールはアイテム『時限爆弾』を投げた。


『メフィストフェレスの攻撃……』 


 他の魔法少女たちが「やられる!」と思った瞬間、


『時限爆弾が発動。メフィストフェレスにダメージ30』


 時限爆弾が発動し攻撃、メフィストフェレスの攻撃が無効にされた。


『メフィストフェレス、残りの体力、13』


「最後に、これでどうだっ」


 ミザデレールが、メフィストフェレスに攻撃をする。


『メフィストフェレス、残りの体力、1』


「そんな……」


『メフィストフェレスの攻撃、ダメージ45』


「ううっ」


 ミザデレールはうめき声を上げて倒れた。それを見て、ユーリアたちが肩を落とす。


「駄目だったか……」


「……仕方がないですわ」


「……」 


 落胆する魔法少女たち。


 だが……。


「……ミザデレール、立っているぞ」


 ユーリアの言葉に、エミュルとエンビは顔を上げる。


『ミザデレール様、エンジェルブレスの瓶の所持で蘇生』


 エンジェルブレスの瓶。

 瓶の中にあるその息を吸い込めば、たちまち蘇生するアイテム。


 ミザデレールは、瓶に入ったエンジェルブレスを倒れた時に割り、その息を吸っていたのだった。




 そして……



「うおりゃあああっ」


 ミザデレールはメフィストフェレスに、攻撃をかました。


「くっ」


 メフィストフェレスは身体を屈めて、そのまま倒れた。


『メフィストフェレス、残りの体力、0』


 そしてビーという戦闘終了の音が鳴り


『ミザデレール様の勝利です』


 と、辺りに声が響き渡った。


「やったあぁー!!」


 魔法少女たちは、喜びの声を上げた。


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