第38話 メフィストフェレスに攻撃開始

「みんな、ありがとう」


 3人に手を振り、その応援に応えるべく、ミザデレールは強い魔物を狙っていった。弱い魔物からは逃げて時間を節約し、強い魔物の経験値により、どんどんとレベルアップをしていく。


「なんとか、レベル15まできたなぁ。けど……」


 順調にレベルが上がったミザデレールだが、ここにきて強い魔物が出なくなってしまった。


「どーしよ。時間もないし、そろそろアイツを攻撃しないと……」


 ちらっとメフィストフェレスを見て、考え込むミザデレール。


「……よし」


 悩むミザデレールだったが、あることを思いつく。


「伸びろーっ」


 ミザデレールの如意棒型マジカルステッキが、メフィストフェレスに伸びる。


『メフィストフェレスに攻撃』


『ダメージ5』


『残り体力、305』


 女性の声に「ええーっ! 体力310もあったのかよ!」と、驚くミザデレール。


「ふっ……」


 鼻で笑うメフィストフェレスに、イラっとしながら、今度はフィールド場をうろうろする。魔物が出現し、ミザデレールは近く。魔物はゴブリンとコカトリスの2匹。


 そして……


「伸びろーっ」


 レベルが上がり出来るようになった『連続アタック』で、2匹の魔物にマジカルステッキを伸ばし、攻撃をする。


 2匹の魔物は勢いのあるマジカルステッキに突かれて、飛んでいく。


「……っ」


 飛んでいった先にはメフィストフェレスがおり、


『メフィストフェレスに18のダメージ』


『残り体力、287』


 と、女性の声が告げた。


「近寄ったら、アイツに攻撃されかねないからな」


 次々と遭遇した魔物たちを、メフィストフェレスの方に飛ばし、攻撃をする。


『残り体力、267』


『残り体力、256』


『残り体力、233』


 と、確実に減らしていく。


『戦利品、トキハヤの薬、薬草、痺れ粉、薬草、煙幕の粉、時限爆弾、エンジェルブレスの瓶』


 魔物が倒されていき、どんどんアイテムを手に入れる。


『制限時間、18分』


 女性の声が告げる間にも、ミザデレールは何度も魔物を飛ばしていく。


「魔物を使うとは……ミザデレール、がんばっているな」


「ええ、思ったより健闘していますわ」


「……大丈夫かもな」


 見守る魔法少女たちは、安堵の色を見せる。



 そこへ、ダメージを受け続けるメフィストフェレスが、一言告げた。


「……私の体力が残り100になった時、私も動き始めます」


 そう宣言される。


「だよな……このままじっとは、しないよな」


 ミザデレールは下唇を噛む。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る