第36話 レベル上げ

「いま食べてどうするんですのっ!」


「まだ体力はあるんだろう? ギリギリまで待って使う方がいい」


 ミザデレールがまだ余裕なのを見て、そう判断をする。


「確かに、スライムから15攻撃されて、まだ35体力あるけど……。そうか、わかった」


 納得をして、薬草を食べるのをミザデレールは止めた。


『ミザデレール様、現在の体力35、異常なし、次のレベルアップまで経験値3必要。戦利品、薬草。残り時間44分』


 少し遅れて、女性の声が伝える。


「よし次に行くぞ、次」


 ミザデレールは魔物に遭うべく、盤上をうろちょろする。するとネズミの魔物が出現した。


「よし、アタック!!」


 すぐさまミザデレールは、ネズミの魔物である鉄鼠のテリトリーに入った。


「攻撃っ!」


 叩くと鉄鼠は「チュウっ」と鳴き、反撃をしてくる。


「イテッ!!」


『ミザデレール様、現在の体力、28』


「まだまだっ!」


 ミザデレールは鉄鼠に攻撃をする。鉄鼠は毛繕いをしていて、反撃をしない。


「これでどうだっ!」


 ミザデレールが叩くと鉄鼠は倒れて、急にファンファーレが鳴る。


『ミザデレール様、レベルアップ。レベル3になりました』


 女性の声が告げる。

 それと同時に、ミザデレールの体力も回復した。


「やった! 体力が66になったし、回復した! 薬草、確かに使わなくて良かった」


 ミザデレールが喜んでいると、


『ミザデレール様、戦利品ハヤテのシップ』


 ポンと、ミザデレールの手にアイテムが出現した。


「あ、足が速くなるやつ」


 ハヤテのシップ。

 足に貼り付けると、スースーとした刺激で筋肉を直して、更に足を速くしてくれる物。


「順調に進んでいるみたいですが……この調子で大丈夫なのですか?」


 メフィストフェレスが微笑みながら、小首を傾げて尋ねる。


「うるせー。お待ちは黙ってそこで見てろっ!」


「怒りっぽいですねぇ」


 メフィストフェレスは肩を上下し、ため息を吐いた。


「次に行くぞっ!」


 次に出現したのは、カエルの魔物、エルゲン。


「アイツもイケそうだな」


 ミザデレールは近づき、エルゲンと戦闘になった。


 だが……。


「うえっ、2匹かっ!」


 エルゲンは、狼の魔物であるルサカスを連れていた。それを見て、エンビとエミュルが、


「2匹同時に戦うのか、今のレベルじゃきついな」


「でも、制限時間がありますから、多少の無茶はしていかないと、攻略出来ませんわ」


 と、心配そうにしながらも、戦いを見守る。


「大丈夫だ……ミザデレールは、やれる」


 ユーリアは半眼の瞳で行く末を見守る。


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