第35話 バトル開始

「戦いの前に、一時的に貴女と私のレベルを、魔法で下げさせて頂きます」


 メフィストフェレスは呪文を唱え、お互いのレベルを下げた。


「あんま実感、わかねーけどなぁ」 


「魔物と戦えば、わかりますよ」


 彼はクスリと笑いを漏らした。


「これ以後、魔法はお互い使えませんので、ご理解のほどを。では、始めましょう」


 メフィストフェレスに言われ、ミザデレールがマス目に降り立った。


「そうだ、忘れてました。此方をどうぞ」


 メフィストフェレスがミザデレールに、小さい何かを投げる。


「なんだ、これ?」


 キャッチしたミザデレールが、首を傾げる。それは、小さな勾玉型の機械だった。


「耳に嵌めて見て下さい」


「ん? こうか?……うおっ!? なんか音が聞こえるっ!」


 ミザデレールの耳から


『ミザデレール様、現在の体力50、異常なし、制限時間45分』


 と、落ち着いた女性の声がした。


「これは、貴女の現在の状態と制限時間を知らせるアラームのような物です。また、戦況も伝えてくれますよ」


「なるほどな。便利だ」


 メフィストフェレスの説明に、納得するミザデレール。




「では、よろしいですか?」


「ああ、いいぞ」


 ミザデレールの了解を得て、メフィストフェレスが言う。


「ゲームスタート!」


 どこからかラッパが鳴り、戦いの火蓋が切られた。


「ミザデレール、がんばれ」


「負けてはいけませんわ」


「……がんばれ」


 3人の魔法少女たちが応援する中、ミザデレールは手を振って応える。


「そうそう、ハンデとして私は最初、ここから動きませんので」


「そーかよ、ありがとな」


 ぶっきらぼうに答えるミザデレール。

 そこにさっそく、最初の魔物がミザデレールの前に現れた。


「あ、スライム」


 ぽよんと音がしそうな、ジェルボディのアイツがいた。 


「最初に出逢う敵だし、大丈夫だろ」


 と、ミザデレールは倒すことにした。


「おりゃっ」


 ミザデレールが叩くと、耳元で『スライムにダメージ3』と、さっきの機械が教えてくれる。


『スライムの反撃』


『ミザデレール様、ダメージ5』


「スライムの攻撃の方が強い!?」


 レベルを落とされ、自分も最初はこんなに弱かったのか……とミザデレールはびっくりする。


 そうしてスライムを倒したミザデレール。


『戦利品、薬草』


 ミザデレールの手に薬草が現れる。


「いま、スライムから攻撃受けたし、食べちゃうか」


 薬草を食べようとしたミザデレールに、他の魔法少女たちが声を出す。 




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る