第34話 ルール説明

 ルールは至ってシンプルです。


 まずこのフィールド場を模した、マス目の中で戦って頂きます。


 戦い方は、ターン制。

 敵と交互に戦います。


 今現在の私と貴女のレベルを、一時的に落とし、私はレベル30、貴女はレベル1から始めます。


 各自HPがあり、それが0になった時点で、貴女の負けです。

 もちろん、私のHPが0になれば、私の負け。


 魔法は禁止なので、拳のみで戦います。


 ちなみに、魔物たちも襲ってくるから、それも相手にしなければならない。


 制限時間は45分。


 その間に決着が着かない、もしくは負ければ、ジャックオランタンのいるロビーまで、戻って頂きます。




「以上です」


 メフィストフェレスの説明を聞き、ミザデレールはガッツポーズをした。


「なんだ、カンタンじゃねーかっ! 要は、おまえを倒せばいいをだろっ!」


「簡単ではありませんわ。だから、お馬鹿と言われてしまうんですわ」


 ミザデレールの楽観的な考えに、エミュルはため息を吐く。


「んだとーっ!」


「落ち着け。このゲーム、単純なように見えるが、難しいのは制限時間があることと、ミザデレールとメフィストフェレスにレベルの差があることだ」


 エンビがミザデレールを宥めつつ、ゲームの難易度を告げる。


「そんな、難しいのか?」


 途端に不安げに尋ねるミザデレール。

 エンビは思案顔になり、


「時間までにミザデレールが、どれだけのレベルを上げ、奴を倒すのか。レベル上げに魔物を使うのだろうが、どこまで経験値を持っているのか……」


 と、アゴに手を当てる。

 そんなエンビを見て、エミュルが提案をする。


「エンビかわたくしがチャレンジした方が、よろしいんじゃなくて?」


 しかし、その提案を断固としてミザデレールが譲らない。


「ダメだ。アイツはアタシが倒すんだっ!」


 ミザデレールがメフィストフェレスを睨みつける。それを受け、メフィストフェレスがニヤリと笑う。


「ミザデレールでいいのではないか? こちらでサポートをしてやればいい。戻ったら戻ったで、またやり直せばいいしな」


 3人のやりとりを聞き、ユーリアはぽつりと言った。


「姐さんっ!」


 ミザデレールがうるうるした瞳でユーリアを見る。


「ですけどっ……まあ……んもう、いいですわっ」


「ああ、ミザデレールがやると言うのを、止めるつもりはない」


 こうして、メフィストフェレスとの勝負『盤上&モンスターズ』をミザデレールがやることになった。


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