第32話 謎解きの答え

「その色から、ターコイズこと水色の親を探しますわ。そもそもなぜ、アメジストとローズクォーツが子供なのかしら?」


 エミュルの問いに、


「えっ、それは……」


 困り果てるミザデレール。


「アメジストは紫、ローズクォーツはピンク。紫の親は赤と青。ピンクの親は赤と白。ところでミザデレール。あなた、色の作り方って知ってるかしら?」


 エミュルの質問に、


「ああ、あの青と黄色を混ぜたら緑になるっていう?」


「なら、赤と青は? 赤と白は?」


「ええっと、確か……赤と青は紫で、赤と白は……ピンク?」


 不安そうに伺うミザデレールに「正解ですわ」と答えるエミュル。


「なら、水色を作るには、どの色を混ぜるんですの?」


「水色は……青と、薄めるから……白だっ!」


「答えが出たようですわね」


 エミュルの言葉に、ミザデレールはポカーンとし、次いでわかった顔になる。


「水色、つまりターコイズの親は、青のサファイアと白のダイヤかっ!」


「そういうことですわ」


 答えを導き出せたミザデレールは、満面の笑みを浮かべ、ユーリアに報告する。


「姐さん、やりましたっ!」


「うむ、良かったな」


 4人の魔法少女たちのやりとりを、見ていたアザゼルが声をかける。


「んじゃ、青と白でいいんだな?」


「もちろんですわっ」


 自信を持って答えるエミュルに、アザゼルは言う。


「じゃあ、その正解だと思う、青か白のワープポイントに乗って、どっかいっちゃってくださーい」


「正解は言わないのかよっ!」


「ワープポイントに乗って、ジャックオランタンのいるロビーに行かなきゃ、正解だよ」


 あくまでも答えは教えないアザゼルに、腹を立てつつ、4人は話す。


「じゃあ、白のワープポイントに行きましょ」


 エミュルはさっさと、目障りなアザゼルという男から離れたくて、足早に歩いて行く。


「アザゼル」


 ワープポイントに行く直前、ユーリアが声をかける。


「なーにー?」


「ショコラ……ブラックシャドウにお前のことを、伝えておく」


「……あーそー」


 後ろ手でひらひらするアザゼルを見ながら、ユーリアたちは次の場所へと移動した。


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