第31話 謎解き開始

「はい、解いて解いてー」


 投げやり気味に急かすアザゼル。

 それを無視してユーリアたちは、考えを交換し出す。


「隠し子のターコイズの親を、当てりゃいいんだな」


 と、ミザデレール。


「そうだな。夫婦は2組。成人した子供は2人。全部で6人の容疑者だ」


 エンビも推理を始めた。


「……しかし、登場人物が宝石の名前なのに、色々村なのか……?」


 ユーリアは不思議そうに言う。


「そこは、宝石村でも良さそうですわね……」


 エミュルも考え込む。


「はいはーい。がんばってー」


 アザゼルの耳障りな急かす声に、集中力を削がれそうになりながら、一生懸命考える。


「そもそも、なんでアメジストとローズクォーツが子供なんだよ。別に違う宝石の、例えばエメラルドとかトパーズとかでもいいだろーよ」


「適当に、つけたのだろうか?」


 ミザデレールの疑問に、とりあえず意見を述べるエンビ。


「色々村……アメジストとローズクォーツの子供……隠し子のターコイズ……。なにかありそうだな」


 ユーリアの言葉にエミュルは、はっとした。


「あっ……! わたくし、答えがわかりましたわっ!」


 謎が解けたエミュルに他の3人は、聞く。


「エミュル、わかったのかっ!」


「それは、一体……」


「犯人は誰だ?」


 3人の問いかけにエミュルは、


「犯人、それは……」


 言葉を紡ぎ出した。

 ミザデレール、エンビ、ユーリアが見守る中、エミュルが答えを出す。





「それは、ダイヤとサファイアですわっ」


 その答えに、謎解きの過程を聞くエンビ。


「聞かせてもらえないか、エミュル」


 彼女に促されて、エミュルは頷く。


「まず、登場人物が宝石なのに、色々村ということ。これがヒントですわ」


 自分が謎を追った順に説明をする。


「関係あるのかよ」


 ミザデレールが尋ねると、


「大ありですわ。だってこれは、宝石たちの名前から、色の名前を導き出すものなんですもの」


 エミュルは答える。


「それぞれの宝石を色に変えると、こうなりますわ」




 ガーネット=赤


 サファイア=青


 ルビー=赤


 ダイヤ=白


 アメジスト=紫


 ローズクォーツ=ピンク


「そして最後に隠し子のターコイズは水色ですわ」


「それで、どうなるんだ?」


 エミュルの説明に納得しつつ、ミザデレールは不思議そうにしている。


「ああ、なるほど……」


「そういうことか……」


 エンビとユーリアの納得顔に、1人置いてけぼりのミザデレールは焦る。


「なんで2人、わかるんだぁー」


「落ち着きなさいな。わたくしが説明してますでしょ?」


 ミザデレールを宥めながら、話を進めるエミュル。


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