第27話 魔王との対話
「お元気でしたか、魔王様」
「ブラックシャドウ……いや、今はショコラか。私はこのように、元気だ」
「それはよかった」
元上司と部下。
お互い、にこやかな雰囲気で話をする。まるで敵対をしていないかのように。
「おい、てめぇーショコラ! コイツは敵だぞっ!」
「元上司ですので、敵だとしてもそれは変わりません」
ショコラの態度に、腹を立てたミザデレールだったが、魔王の方を見て宣言をする。
「今回はアタシがぜってぇー倒す!」
「ハハハッ、威勢のいいことだなミザデレール。お前の実力、期待しているぞ」
魔王は笑い、ちらりと他の者たちに視線をやる。
「エミュル、エンビは我を楽しませてくれるのかな?」
「わたくしも、負けませんわよ」
「お前を楽しませるつもりは、毛頭ない」
うんうんと頷いて、最後にユーリアを見る。
「息災だったか、ユーリア
「まあな」
「相変わらずだな。お前らしい。今回もジャスティアスに頼まれたのであろう?」
「まあな」
「フフ、お人好しな所も変わらず、か」
そして全体を見渡して告げる。
「この魔王、アレキサンダー・ルシファーを倒しに来た5人の者たち。城の最上階で待っているぞ」
「つっ、待てっ」
エンビが斬りかかるも遅く、魔王は姿を消した。
「くっ、逃げられたか」
悔しそうに言うエンビにミザデレールが言う。
「上等じゃないっスか。やってやりましょーよ」
右手の拳を、左手の手のひらに打ち込みながら、闘志を燃やす。
「ここで功績を残せば今度こそ、ルプトプラスの街に配属されるはずですわ」
エミュルは野望を燃やす。
「最上階を目指して参りましょうか」
ショコラがゆったりとした口調で、ユーリアに話しかける。
「そうだな」
ユーリアは、ショコラの言葉に頷いて、魔王様を見上げる。
果たして、ユーリアたちを待ち受けるものとは……。
「ちょっと、僕のこと忘れてない? 魔王、ひどくない?」
アザリは1人、呟いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます