第20話 仲間が増えた

「ナイス提案っス、姐さん!」


「もっと大きな都市なら、冒険者達も魔物から街を守っているだろう。だが、いつまで持ちこたえるかわからんからな」


「これで心置きなく、ついて行けます!」


 ミザデレールははしゃいだ。


「仕方ないですから、わたくしもついて行ってよろしいですわよ?」


「ああ、頼む」


「おまえはついて来なくていい! 姐さんとアタシで退治しに行くからなっ!」


「まあっ! せっかくわたくしが好意で言って差し上げているのに……!!」


 わなわなと体を震わせるエミュルに、またミザデレールが言う。そして、エミュルがキレてミザデレールの言葉に噛みつく。


「ああやだやだ。僕はユーリアと2人で行きたいのに……」


「次に行くぞ」


 こうしてミザデレールとエミュルが仲間になり、ユーリア達の旅はよりいっそう賑やかになった。



 ────


 ────────


『ユーリア達一行は仲間を増やし、魔王城に向かっている模様です』


「そうか。報告、ご苦労」


 魔王の忠実なる部下が、テレパシーで魔法少女達の現状を伝える。


『また御連絡致します』


「そうだ、ハトゥール」


『なんでございましょう?』


「魔法少女ユーリアは元気そうか?」


 魔王はハトゥールと呼ばれた部下に尋ねる。


『はい、相変わらずの様子でごさいます』


「そうか、ならいい……また会えるのが楽しみだ」


 魔王は笑いを漏らす。


 ──前回は散々な結果だったが、今度こそは勝ってみせよう……。


「では、次の報告を待っている」


『はっ! では、失礼致します』


 テレパシーが途絶えて魔王は考える。


「こちらに来た時、盛大にもてなしてやらなければ……」


 魔王は魔法少女達を迎える為の準備を始めていた……。


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