第14話 ミザデレールVSショコラ

「とりあえず、終わりましたね」


 近くで見ていた3人は、戦いを見届けた。というのも、2人が戦っている最中に頭を突っ込めば、余計な体力を消耗するからである。

 生き残った1人、もしくは相打ちになり戦わずに済んだらなーっといった心情で、手を出さなかったのだった。


「おい、そこの3人!! おまえ達も、アタシとやるのかっ!!」


 ミザデレールに気付かれ、3人は話す。


「気付かれたな」


「まあ、目の前で見てましたし……戦いの最中は気付かれませんでしたけど」


「どうするの、ユーリア」


 ユーリアはスッと前に出る。そして無言でエミュルの元へ向かう。


「おい、おまえ。やるのか、やらないのか」


「少し待て」


 エミュルの横にしゃがみ込んで、呪文を唱える。


「ディオ・アーラ」


 エミュルを優しく光が包んだ。


「魔王の魔術は解いた。アザリ、白魔法でエミュルの傷を治してやってくれ」


「ユーリアの頼みなら、お安いご用さ」


 アザリはエミュルを癒し始めた。


「ショコラ」


「はい、お嬢様」


「あとは頼む……眠い」


「かしこまりました」


 ユーリアは、近くの木の根元で眠り始めた。彼女が眠ったのを見届けて、ショコラが言う。


「では、お相手願えますか?」


「おまえがやるのか。いいだろう」


 お互いが近づき、ある程度の間合いで止まった。


 一陣の風が、彼らの横を通り過ぎていく。カラカラと木の葉が舞い、ゆっくりと地面に落ちる。


 ──そして木の葉が完全に動かなくなった時、空気が動いた。


「つっ……!?」


 ミザデレールが気付いた時には、ショコラは彼女の後ろに回り込んでいた。


「はっ!」


 すぐさま赤いマジカルステッキで、後ろのショコラを突こうとするが、瞬時に握られ、動きを封じられてしまう。


「これで終わりですか?」


 ショコラの問いにミザデレールは、叫ぶ。


「伸びろーー!」


 彼女の声に呼応し、マジカルステッキは後ろに伸びる。ショコラは足でタイルの地面を剥がしながら、後ろへと距離を引き離された。

 ショコラは、マジカルステッキを離してやった。


「相変わらず、面白い武器ですね。次はどうするんですか?」


「馬鹿にしやがって……」


 ミザデレールは眉間にシワを寄せて、ショコラを睨む。


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