日常におきること

バブみ道日丿宮組

お題:誰かと階段 制限時間:15分

 小学生の頃は何も感じなかったが、中学生になると視線を感じるようになった。

 特に階段をのぼるときなんか、下の方からじとーという感じのものがくる。

 その視線の先を振り返って探しみても、誰が見てたかわからない。

 男子生徒なのか、女子生徒なのか、あるいは教師なのか。

 友だちに相談すると、『見られるだけマシじゃん』とのことだった。

 別に私は美少女って柄でも、可愛いっていう種類でもない。

 だからこそ、視線を浴びるのに違和感があった。

 ある時、教室に朝早くつくと、見慣れないものが机の中に入ってた。

 なんと私の写真。

 しかも下から撮影したパンチラというかパンモロ写真。他にはプールでの水着、更衣室での下着とたくさん入ってた。

 ぶるりと寒気がした。

 担任は男なので、保健室の先生に相談することにした。

 最初は驚いてくれたのだが、『あなたなら仕方ないね』と肩を叩かれた。

 いや……笑いごとじゃないんだけど。

 一応盗撮事件があったと報告してくれるらしい。

 それまではスカートを抑えて階段にのぼるなり、更衣室での視線に注意したりと、周辺をよく確認して欲しいと頼まれた。

 確かに友だちは階段でスカートを抑えながらのぼってたが、下着をのぞかせないためだったのかということを知った。

 言ってくれれば私もしたのに。

『あまり下着は色がついてないもののほうが目立たない』

 保健室の先生はさらにそういった。

 そして『透けてる』ともいった。

 オレンジ色が好きで下着にしてたのだが、それはよくなかったらしい。もっと派手でえっちなのを友だちはしてるのにどうして私ばかりが被害にあうのか。

『あなた自分では否定してるけれど、周りからみたらすけべの塊なのよ』

 真剣な表情で言われたので、えっとと声が漏れた。

 そんなことはないのだと思うのだけど、そうでなければ起きないかもしれない。

 ぐぬぬと表情を歪めた。

 成長とは、苦難の道かもしれない。

 下をうつむくと胸の凹凸でほとんど見えてこない。

 そういう実態が手元にあるんだって、少しは自覚をはじめなければ、終わるものも終わらないのだろうと私は思う。

 数日後、更衣室は工事。プールも敷居を高くするということとなった。

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日常におきること バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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